ニュース
トヨタとLIXIL、移動型バリアフリー「モバイルトイレ」
2020年11月13日 15:00
トヨタ自動車とLIXILは、車いす使用者が外出先で使える移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」を共同開発した。車いす使用者の、各種イベント参加やスポーツ観戦などへの外出を支援する。
モバイルトイレは、モビリティカンパニーを目指すトヨタと、トイレやバリアフリーに知見をもつLIXILの両者の強みを生かして開発。衛生的な多機能トイレを車両に搭載し、けん引により自由に移動して設置できる。
車両の前後方には遠くから認識できるよう大きな多機能トイレマークを配置。超低床車体の設計で、出入口への動線はなだらかなスロープとなっている。乗り口地上高は25cm、スロープの長さは4.7m、角度は3度。
車内は車いすが回転しやすい空間を確保するとともに、手すりの備わった大便器など車いす使用者にとって必要な機能を備える。また、多目的に使えるユニバーサルシート(大型ベッド)や、車いす使用者がより快適にトイレを利用するために自分で衣服を整えたり介助者が待機できる前室を用意している。
トイレの広さは2×1.98m、前室の広さは1.65×1.98m。ユニバーサルシートのサイズは1,500×696×480mm(幅×奥行×高さ)。
車両の大きさは、約5.3×2.5×2.9m(全長×全幅×最高地上高)、総重量は2.3トン。電力はバッテリー、ソーラーパネル(非常用)。給排水容量は各200L、連続使用回数は約30回、洗浄方法は水洗式。搭載衛生機器は大便器×1、手洗い×2、オストメイト対応流し×1。
公共施設では多機能トイレの整備が進んでいるものの十分とは言えない状況であるとし、モバイルトイレにより、各種イベント参加やスポーツ観戦など、車いす使用者の外出の可能性を広げることを目指す。
今後は、モバイルトイレをさまざまなイベントの場などに出展し、車いす使用者や介護者の声を参考に改善を進める。11月21日、22日に横浜市北仲通地区で行なわれる「横浜北仲フェス」で横浜市役所敷地内に設置し、実際に使用される予定。