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Go To トラベルでオトクに旅行してきた(ちょっとミスった)

ツインリンクもてぎ「森と星空のキャンプビレッジ」に宿泊してみた

新型コロナウイルスの影響で冷え込んだ観光業の振興を目的とした「Go To トラベル」キャンペーン。10月1日からは東京発着の国内旅行にも適用されることになり、筆者も家族旅行で利用してみることにした。

宿泊先はツインリンクもてぎの「森と星空のキャンプビレッジ」。ログハウスやテントでグランピングが楽しめる施設だ。ツインリンクもてぎはレース取材ではたびたび訪れている場所だが、観光目的で敷地内の施設に宿泊するのは初めて。というか、レースウィークは常に満室で、予約も争奪戦……いや、戦う前に満室になってしまうレベルなので、仕事で宿泊したこともない……。

目立ったイベントはなく、しかも朝晩はまあまあ冷え込む紅葉真っ盛りの季節でも人気は相変わらず。予約を取れたのはラッキーというほかない。といっても、宿泊のタイミングでサーキットで予定されていた自転車レースが例のごとく中止になってしまったため、それに伴ってキャンプビレッジにも空室が出たものと思われる。その隙を突いてギリギリ予約できた、というわけだ。

話を戻すと、旅行代金の半額相当(最大35%が宿泊料金から割り引かれ、最大15%が地域共通クーポンとして受け取れる)が補助されることで知られる同キャンペーンでは、旅行会社のパッケージ商品だけでなく、個人で宿泊予約した旅行についても対象となる。そして個人旅行でも、宿泊費に加えて、場合によっては交通費(高速道路通行料金)まで対象となるのだ。

栃木県で発行された地域共通クーポン

旅行会社を介して予約、支払いをした場合は、ほとんどの場合自動的に諸々の割引などが適用されるものと思われるが、今回筆者が個人で、ツインリンクもてぎの公式サイトから宿泊予約したパターンでは、「Go To トラベル キャンペーン」の適用を受けるために、いくつかの“つまずきやすい”手続きが必要となった。

実際、筆者も見事につまずいてしまい、見込んでいた地域共通クーポンを一部受け取れなかった……。そんなわけで、ここでは個人で旅行を手配する際、交通費も含めて「Go To トラベル キャンペーン」の適用を受ける際に必要な4つの手順と、それぞれの注意点について解説したいと思う。これから旅行を計画する際の参考にしてもらえれば幸いだ。

1.各種キャンペーンの対象になっているか確認する
2.宿泊先の割引クーポンを発行する
3.高速道路の周遊パスの割引クーポンを発行する
4.メールを印刷し、高速道路で紙にスタンプを押す

1.各種キャンペーンの対象になっているか確認する

旅行しようと思ったとき、まずは宿泊予約サイトにアクセスして、観光したいスポット近くのホテル、あるいは泊まってみたいホテルを探すのが第1のステップになるだろう。筆者もとりあえず大手宿泊・旅行予約サイトで探すのが習慣みたいになっているのだが、ここが第1のつまずきポイントになりかねない。

「Go To トラベル キャンペーン」の利用を前提とするなら、最初にアクセスすべきは「STAYNAVI」というWebサイトがオススメだ。ここで地域名やホテル名を検索することで、キャンペーン対象のホテルをざっと一覧できるほか、宿泊したいホテルがキャンペーン対象かどうかをチェックできる。

最初にアクセスしてチェックしておきたい「STAYNAVI
地域名や施設名を入力して検索すると、キャンペーン対象のホテルが一覧される

他の大手宿泊・旅行予約サイトでも「Go To トラベル対象」などと表示されている場合もあるが、表記に統一性がないのと、後述する交通費絡みの「Go To 高速道路周遊パス」の対象かどうかはわからず、そもそもその存在に気付けなかったりもする。しかしSTAYNAVIであれば、それらを最も正確に反映した情報が得られるのだ。この後の手続きでも同サイトを利用することになるので、覚えておきたい。

ツインリンクもてぎの公式サイトからアクセスできる予約ページ。キャンペーン対象であることはわかるが、「Go To 高速道路周遊パス」対象かどうかはわからない

なので、最初にSTAYNAVIにアクセスして観光したい地域で検索し、候補として表示されるキャンペーン対象の宿泊施設のなかから泊まりたいところを見つけたら、その宿泊施設の公式サイトや旅行サイトで予約手続きする、という手順が合理的だろう。

STAYNAVIで宿泊したいホテルを検索し、あらかじめ対象かどうか確認しておきたい

2. 宿泊先の割引クーポンを発行する

予約サイトによっては、予約の時点で「Go To トラベル」キャンペーンの補助が適用された割引金額で決済、もしくは請求金額が確定する場合もあるが、そうでないこともある。その場合、何もせずに当日、宿泊施設に行っても割引金額にならないので注意が必要だ。

宿泊施設を予約したときの確認メール。「割引対象」とは書かれているが、割引金額にはなっていないため、この後にさらに手続きが必要

予約したとき、表示される金額が割引前のものであるなら、予約完了時の確認メール(もしくは予約する際の案内ページ)などに「Go To トラベル」の「クーポン」の案内があるはず。なので、次にすべきはそのクーポンの発行となる。クーポンを発行して、宿泊先窓口で提示して初めて、割引された金額で宿泊できることになる。

クーポンの発行のために利用するのが、先ほどのSTAYNAVIだ。宿泊施設の公式サイトなどで宿泊予約した後、STAYNAVIにアクセスしてユーザー登録し、宿泊施設の予約情報もあわせて登録する。「Go To トラベル」対象で、登録内容に問題がなければクーポン番号(QRコード)が発行されるはずだ。

ユーザー登録後、宿泊施設の予約内容を正確に記入する

あとは宿泊当日、クーポン番号(QRコード)をフロントで提示すれば割引後の金額で宿泊できる。あわせて当該都道府県と隣接地域の商品購入などに使える「地域共通クーポン」も受け取れる。クーポン番号などはスマートフォンの画面で表示させて提示するだけでいいのだけれど、後述する理由で、おそらく大多数の人は同時に送られてくるメール内容を紙に印刷することを選ぶだろう。

割引クーポンが発行された
チェックイン時にこのクーポンコードか、QRコードを提示すれば宿泊料金が割引され、地域共通クーポンも受け取れる

3. 高速道路の周遊パスの割引クーポンを発行する

「Go To トラベル」では、宿泊先までの交通費の割引(と地域共通クーポン)も受けられる。具体的には、NEXCO東日本やNEXCO中日本など全国の高速道路運営各社が、それぞれが管轄している高速道路において一定期間通行し放題となる「高速道路周遊パス」を販売しており、この周遊パスも割引と地域共通クーポン配布の対象になるのだ。ただし、そのためには条件があり、手続きも必要になる。

NEXCO東日本の「Go To 高速道路周遊パス」の案内ページ

周遊パスの割引が適用されるのは、STAYNAVIで「Go To トラベル対象」の宿泊施設を予約し、その宿泊施設を利用するための移動で高速道路を利用する際の「周遊パス」に限られる。つまり、旅先で宿泊もしないのに高速道路を通行したりしても割引の対象にはならないということだ。あくまでも宿泊と移動がセットになっている状況において割引されるものである、というわけ。

したがって、この「周遊パス」の割引クーポンを取得するためにもうひと手間必要だ。まず、先ほどのSTAYNAVIで発行したクーポン番号を用意したうえで、高速道路各社のWebサイトにアクセスする。ここから「周遊パス」に申し込むわけだが、実際に申し込むページへのリンクがかなりわかりにくい。筆者はたっぷり20分ほどさまよった。

正解としては、最初にSTAYNAVIの宿泊施設のクーポン発行完了後に送られてくる「クーポン本発行完了のお知らせ」メールに表示されている「■STAYNAVI限定!■ ~高速道路周遊パスの特別割引のご案内~」のところで案内されているリンク先にアクセスする。

「クーポン本発行完了のお知らせ」メールに記載されているURLにアクセス

そうするとSTAYNAVIのWebサイトが表示されるので、宿泊先へ移動するのに使う高速道路の管轄会社へのリンクをクリックする。たとえばNEXCO東日本の高速道路を利用する場合は『予約はこちら WEBサイト「ドラぷら」』をクリック、NEXCO中日本の高速道路なら『予約はこちら WEBサイト「速旅」』をクリックする。

再びSTAYNAVIのトップページに
スクロールして「予約はこちら」ボタンをクリック

ここではNEXCO東日本の「ドラぷら」にアクセスした場合を例にしているが、ページ前半の注意点などをよく読んだうえで、今度はページ後半にある「お申込み商品選択」までスクロールする。「普通車および軽自動車等」と「二輪車」で選ぶボタンが異なるので注意しよう。

注意事項を確認

ここで表示されている地図を確認し、自分が移動に利用するだろう範囲に該当するエリアのボタンをクリックして、さらにその次のページなかほどにある「お申し込みはこちら」ボタンをクリックしてようやく申込みページにたどり着ける。

「お申込み商品選択」の地図までスクロールし、通行する予定のエリア名が書かれたボタンをクリック。都内からツインリンクもてぎまで移動するので「栃木・茨城」を選ぶ。普通車と二輪ではクリックするボタンが異なるので注意
ようやく申込みページにたどり着いた
ページ中ほどにある「お申し込みはこちら」ボタンをクリック

宿泊施設まで移動するときの初日となる「利用開始日」をカレンダーから選択し、STAYNAVIで発行したクーポン番号や、高速道路通行時に利用することになるETCカードの番号、その他必要事項を記入する。ETCを利用できないユーザーはそもそも「周遊パス」の割引を受けられないことにも注意が必要だろう。

カレンダーから「利用開始日」を選択
STAYNAVIで発行されたクーポン番号、ETC番号などを記入して申し込む

今回の場合、「Go To 栃木・茨城周遊パス」の普通車の正規料金6,000円(2日間)から2,100円が割引され3,900円に。さらに地域共通クーポンとして1,000円分が付与される。往路・復路に利用する2日間は、実質2,900円で当該エリアの高速道路を乗り放題になるというわけだ。

以上で「Go To 栃木・茨城周遊パス」の申込みは完了となるが、これで「周遊パス」の割引などが受けられるわけではない。まだまだやるべきことは残っている。

普通車は通常6,000円のところ3,900円に。地域共通クーポンは「基準額」が900円と表示されているが、実際には1,000円分を1枚受け取れる

4.メールを印刷し、高速道路で紙にスタンプを押す

「周遊パス」の割引を受けるには、もう2ステップほど必要だ。前段の申込みが完了すると、改めてSTAYNAVIから「クーポン内容変更のお知らせ」というメールが送られてくる。このメールはプリンターで紙に印刷しておこう。プリンターがなければPDFなどで出力して、コンビニのコピー機で印刷すれば良い。印刷せずに割引を受ける方法もあるが、とにかく印刷はしておいた方がいい。

STAYNAVIから送られてきた「クーポン内容変更のお知らせ」のメール
とにかくメールを印刷しておけばいろいろと安心

印刷できれば、旅行当日まですべきことはもうない。安心して当日まで一生懸命仕事しよう。そして旅行当日、楽しみすぎて気持ちがはやるあまり、高速道路をノンストップで駆け抜けて宿泊施設に直行してしまうとTHE ENDである。「周遊パス」の割引は受けられない!

旅行当日にすべきことは、高速道路のPA/SAに入り、「ハイウェイスタンプ」を押すことである。急いでクルマを走らせるのではなく、途中PA/SAに入って押印するのである。ついでにレストランで飲食したり、お土産を買ったりするのもいいだろう。もしくは(メールを印刷していない場合は)高速道路料金所の「一般レーン」で「利用証明書」を発行してもらう。

せっかくのETCが台なしではあるが、そうするしかない。周遊パスの割引や地域共通クーポンを受け取る条件がそうなっているのだ。

常磐道の谷田部東PAでスタンプを押した。だいたいSA/PA施設の入口すぐのところにあるのでわかりやすい
ガソリン補給のために別のSAにも立ち寄り、ついでにもう1つスタンプを押しておいた。これで完璧なはずだ(実際はスタンプ1つでいい)

おそらくは一時的なものだろう「Go To トラベル」キャンペーンのためだけに、このあたりを丸ごとデジタルでシステム化するのが難しかったのか。あるいは観光産業を盛り上げるという「Go To トラベル」の目的からして、移動経路で消費してもらうことも狙いにしているのか。無用な渋滞や混雑を引き起こしかねない点に疑問が残るところはあるものの、周遊パスを割引してもらうにはスタンプを押す、利用証明書をもらう、どちらかを選ぶしかない。

STAYNAVIのマイページで宿泊分と周遊パス分の割引、地域共通クーポンが反映された

完璧に手続きをこなしたはず、だったのに……

以上の手順をすべてクリアして、宿泊先にたどり着き、フロントでクーポン番号とハイウェイスタンプ(もしくは高速道路の利用証明書)を提示して、ようやく割引が適用され、地域共通クーポンを受け取ることができる(「周遊パス」については、後日ETCにひもづけているクレジットカードに割引後の料金が請求されることになる)。

チェックイン時に受け取った地域共通クーポン。もちろん宿泊施設の割引も受けられた

が、この最後の段階にきて、筆者は1つのミスを犯してしまっていた。この記事内で掲載しているいくつかのスクリーンショットを見るとわかるように、宿泊施設名が「森と星空のキャンプビレッジ」ではなく、「ホテルツインリンク」となっていることがわかるだろう。この2つは同じ敷地内にあるが、どうやら別施設として扱われているようだ。別施設となれば、当然STAYNAVIでの申込内容も誤りということになり、割引などを受けられない。

1つ言い訳をさせてもらうと、最初にSTAYNAVIで宿泊施設を検索する段階で、宿泊先である「森と星空のキャンプビレッジ」ではヒットしなかったのだ。「ツインリンクもてぎ」で検索すると「ホテルツインリンク」と「ログキャビン」の2つがヒットするようになっているが、「ログキャビン」はあくまでも「森と星空のキャンプビレッジ」のなかの部屋形態の1つを表すものでしかないわけで。

STAYNAVIで「ツインリンクもてぎ」で検索すると2件ヒットする

実際、この2つの施設は場所としても隣接しているし、どちらに宿泊しても朝食会場はホテルツインリンク内のレストランとなるので、初めて宿泊する人にとっては同じ括りの施設と捉えられても仕方がない(と思う)。おまけにツインリンクもてぎの公式サイトで宿泊予約した後に送られてきた確認メールには「ホテルツインリンク」と記載されていたし、STAYNAVI上での「ログキャビン」の掲載情報は不完全なものだった。さらに言うと、当日チェックインしていたときには他の宿泊客も同じミスをしていた。

「ログキャビン」の掲載内容は不完全で、本当にこれを選んでいいのか不安にはなる

結局、チェックイン前にSTAYNAVIで申請し直し、無事宿泊代金の割引と地域共通クーポンを受け取ることができたのだが、これに付随していた高速道路の「周遊パス」については、申請し直そうとしたところスマートフォンが電池切れになったため、諦めることにした。予定では8,000円分のはずだった地域共通クーポンも、周遊パス分の1,000円がもらえず、7,000円になってしまった。

スマートフォンはチェックイン後に充電し、最初にSTAYNAVIで登録した内容についてはキャンセルした。宿泊の予定が変わったときなどには必ず割引・地域共通クーポンもキャンセルする必要があるので、頭に入れておきたい。

ここからわかることは、宿泊施設側のシステムと、STAYNAVI側の「Go To トラベル」関連の受付システムは特に連携してはおらず、申込み時点の妥当性のチェックも完全には行なわれていないだろうということだ。今回のように旅行計画の初期段階でミスがあっても、当日宿泊施設でチェックインするときになってようやく気付くことになるので、場合によっては割引が受けられない可能性もある。どうしても不安なら、宿泊施設に事前に確認しておくといいかもしれない。

というわけで、最大で旅行代金の50%相当の割引が受けられるということで注目度の高い「Go To トラベル」キャンペーンだが、個人で旅行を手配する際にフルでキャンペーンのメリットを享受しようと思うと少なくない手間が発生する。当日になって慌てることのないように、これまで以上に日にちに余裕をもって旅行の計画を立て、お得に観光を楽しみたいものだ。

宿泊したログキャビン
BBQセット付きのプランで、肉などの食材が大量。家族4人では食べきれないほどだった
丁寧な作り方ガイドもありBBQを存分に楽しめる。手続きでミスはしてしまったが、宿泊プランの内容自体は大満足だった