ニュース

ソフトバンクとJR九州ら、踏切の不具合を遠隔地から確認する実証実験

ソフトバンクは、JR九州および東邦電機工業と共同で、踏切設備の保守の効率化に向け、踏切設備の作動ログを遠隔地から確認するシステムの実証実験を、11月20日から2021年1月31日まで実施する。

これまで踏切設備の管理者は、踏切設備に設置された情報メモリー(VAM)からトラブル発生時に通知されるアラートを受けて、対象の踏切設備がある現場へ行き、情報メモリーにパソコンを接続して踏切設備の作動ログを確認していた。

そのため、現場で情報メモリーにパソコンを接続するまでは、対象の踏切設備に具体的にどのような事象が発生していたのかを特定できなかった。

今回のシステムでは、管理者は従来と同じインターフェイスで、遠隔地から時間などを指定することで踏切設備の作動ログを確認できる。これにより早期のトラブルの原因特定と迅速な対応が可能になる。

実証実験では、踏切制御装置や警報機、遮断機などの踏切設備の作動ログを取得できる東邦電機工業の情報メモリーに、ソフトバンクのLPWA(Low Power Wide Area)通信モジュール「Type 1WG-SB」を搭載した通信デバイスを接続し、4カ所の踏切設備に設置。踏切設備の作動ログは、ソフトバンクのIoTプラットフォームに集約し、JR九州の管理者が遠隔で確認できるようにして運用面の検証を行なう。

ソフトバンクと東邦電機工業は、本システムを2021年度に商用化し、JR九州などの鉄道事業者に導入していく予定。なお、システムで利用するLPWA通信モジュールは、IoT通信に適した通信プロトコル「OMA Lightweight M2M」に対応し、データ通信量を抑えられるため、比較的安価で運用できるという。