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薄さ半分の空中タッチディスプレイ。凸版印刷

凸版印刷は、世界初の技術により従来品と比べ筐体の50%薄型化を実現した空中タッチディスプレイを開発。12月よりサンプル品を開始する。

濡れた手や手袋のままでも操作が可能で、医療現場やクリーンルームでの使用に向いているほか、左右15度に固定された視野角を活用し、暗証番号などの覗き見も防止する。センサーで指の動きを検知する非接触型タッチパネルは今までも存在したが、奥行きを必要とする構造のため、設置場所と使用用途が限定されていた。また、生成される空中画像は暗く不鮮明で、ゴースト像(映像出力時に漏れる光でいくつもの像が発生する現象)が派生し、視認性に問題があった。

世界初とする、液晶パネルに対して平行に映像を表示する独自の省スペース構造を実現。従来は、映像の元となる液晶パネルに対して約90度の位置に空中映像を投影するのが一般的だったが、今回の技術では液晶パネルと平行に映像を表示できるため、従来よりも50%薄型化が可能になった。

同社独自の高透過率TFT液晶技術と光学設計技術により、従来品に対して約5倍の輝度を持ち、ゴースト像の少ない鮮明な空中映像の生成も可能とした(特許出願中)。

赤外線方式の空間位置センサーや、ToF(Time of Flight)方式の距離画像センサーを搭載し、空中映像上で目標をタッチする動作を認識する。濡れた手や手袋をした状態の他、ペンなどでも認識できるため、画面に触れることなくタッチ操作ができる。

独自の光学設計技術により、空中映像の視野角を左右15度に制限。映像の正面以外の場所からは視認できないため、パスワードの入力などセキュリティ性が求められるシーンにも適している。

仕様は、液晶が7型高輝度高コントラストTFTディスプレイ。解像度は800×RGB×480。本体サイズは285×285×60mm(幅×高さ×奥行き)。重量約1.9kg。

今後は、空中タッチディスプレイのサンプルを12月に提供開始、2021年に量産試作、2022年に本格量産を目指す。主に医療用機器、公共施設の設備操作盤、高いセキュリティが求められる施設の入退室管理設備などへの採用を目指し、2022年度の売上目標は関連受注も含め20億円。