KDDIなど5社、西新宿で5G活用の自動運転タクシー公道走行実証実験

ティアフォーなど5社は、新宿副都心エリア環境改善委員会と「西新宿地区のスマートシティ化推進に向けた連携協定」を締結。環境改善委員会による次世代モビリティ実証実験企画において、5Gを活用する自動運転システムを導入したトヨタの「JPN TAXI」車両を公道走行させる実証実験(フェーズII)を、11月5日から11月8日まで西新宿エリアで実施する。抽選で試乗体験もできる。

参加企業は、ティアフォー、Mobility Technologies、損害保険ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジーの5社。さらに荏原交通、帝都自動車交通、日本交通、日の丸交通の4社が交通事業者として実証実験にオブザーブ参加し、自動運転技術を活用したビジネスモデルの構築等に関するアドバイスを行なう。

ティアフォーら5社は、2019年11月から協力体制を構築し、これまでフェーズIの取り組みとして、ユニバーサルデザイン仕様のJPN TAXI車両に自動運転システムを導入。公道での実証実験を行なうための準備を進めてきた。今回のフェーズIIは、新宿副都心エリア環境改善委員会との協定により、東京都や新宿区、京王プラザホテルの協力を得て行なわれる自動運転車両の公道走行実験。

実証実験では、KDDI新宿ビル(車外)にいる遠隔監視・操作者が、遠隔型自動運転システムを用いて実験車両を監視(モニター)または操作して走行させる。

11月5日は、遠隔型自動走行(運転席無人)と非遠隔型自動走行(セーフティドライバー乗車)の2種類を実施。走行ルートは京王プラザホテルから新宿中央公園付近を回りKDDI新宿ビルまでで、京王プラザホテルからKDDI新宿ビルまでの区間は遠隔型自動走行、それ以外は非遠隔型自動走行を用いる。通信手段として5GとLTEを使用。

11月6日から11月8日までは、非遠隔型自動走行(セーフティドライバー乗車)の実験として、京王プラザホテルから新宿中央公園(水の広場)までを走行する。通信手段は5G通信とLTE通信の混合で行なわれる。

なお、11月6日から8日までの実験では、事前に予約サイトから予約すると抽選で試験車両に乗車できる。乗車料金は無料。募集期間は10月18日まで。

西新宿エリアは、幅広い世代の人々が集まる街になりつつあると共に、広幅員道路・歩車分離の構造により、歩行者の街区間移動がしづらく、また、このエリアは、土地の高低差を利用した道路が立体的に交差するため上下の移動が多く、高齢者や障がい者等に負担になっているほか、慣れない来街者には目的地までの経路がわかりにくい構造になっている等の課題を抱えている。

環境改善委員会は、西新宿のスマート化を目指す取組みの一環として5社と連携し、移動に関する課題解決法を検証。自動運転をはじめとする次世代モビリティが、域内の新たな交通システムとなるための取組みを進めていくとしている。