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次世代金融アプリ「Revolut」日本上陸。送金・決済・貯金など集約
2020年10月8日 14:58
金融アプリの「Revolut」は8日、日本でのサービスを本格的に提供開始した。
Revolut(レボリュート)は、NFCタッチ決済に対応したVisaデビットカード(プラスチックカード・バーチャルカード)として支払いに利用できるほか、手数料不要かつ有利なレートでの為替両替・送金、予算管理、貯金など多くの機能を備えた金融アプリ。
入金にはクレジットカードを登録し、VisaとMastercardが対応。23の通貨を保有/両替可能で、送金は31通貨に対応する。料金プランは、無料のスタンダードと月額980円のプレミアムで、プレミアムでは、ATM引出額の上限拡大やカード選択肢の拡大、優先サポート、ワンタイムバーチャルカード、LoungeKeyパスへのアクセスなどの機能が提供される。
日本でも招待制でテスト展開しており、すでに1.4万人以上のユーザーが登録。8日から本格的にサービス開始し、誰でも申し込めるようになった。全世界のユーザーは1,300万人以上。
Revolutの特徴は、手数料が不要でリアルタイムで為替レートを確認できるほか、Revolutが展開するイギリス、ヨーロッパ、アメリカ、シンガポール、オーストラリアなど世界各地のRevolutユーザーに無料かつ瞬時に送金できること。
送金やVisaデビットカードでの利用のほか、日本での事業展開にあたり、リアルタイム支払い通知、予算管理と自動分析、貯金箱、個人間決済(P2P)、タッチ決済、ワンタイムバーチャルカード、セキュリティ設定の7つの主要機能を訴求していく。
リアルタイム支払い通知は、Revolutでのカード支払時に、スマホで詳細を通知する機能。レシートの受け取りを不要とするほか、リアルタイムで支出と残額を常時把握できる。
予算管理と自動分析機能は、毎月の支出を自動で分類し表示し、自身の支払い行動を“見える化”する機能。毎月の予算設定を設定し、進捗状況に関するアラートを受け取れる。
貯金箱機能は、目標金額の貯金をRevolut上で自動で実行するもの。旅行や留学などの用途と[5万円]などの目標金額、期限を決めると、Revolutの決済額の一部を自動で貯金に回してくれる。カードの支払い分の端数を切り上げ、切り上げた分を別のウォレットに保管する。例えば960円の買い物をした際に、カードからは1,000円が引かれ、差額の40円を貯金箱に入れる。この機能により、無理なく貯金目標を達成する手助けをする。
個人間決済(P2P)は、Revolutユーザー同士で瞬時に送金したり、請求したりできる機能。メッセージを添えて気持ちを伝えることもでき、手数料は不要。
Visaのデビットカードは、タッチ決済にも対応。レジにあるリーダーに非接触対応のVisaカードをタッチして、サインや暗証番号不要で支払いを完了できる。
ワンタイムバーチャルカードは、プレミアム会員以上の機能で、オンラインでの支払い時に都度毎回一回のみ有効なカード番号を発行。その取引のみカード番号が使われるため、初めて利用するECサイトなどで不安がある場合なども、万一の情報流出に備えて対応できる。
セキュリティ設定もRevolutの特徴。アプリ内からワンタップでカードを一時停止したり解除できるほか、非接触、スワイプ、オンライン支払いなど、特定の機能を無効化し、カードの「タッチ決済のみ」を使うというカスタマイズも可能。また、海外旅行時にATM引き出しを無効にしたり、スワイプ支払いを無効にするなどの設定も可能。
グローバルな金融スーパーアプリを目指す。日本では金・銀取引
Revolutの目標は、「グローバルな金融版スーパーアプリ」。欧州では、手数料無料の株取引や、ビットコインなど暗号通貨の売買、貴金属取引も展開し、銀行・証券・保険など様々なサービスを実現している。日本市場においても長期にはこれらのサービスを計画しているが、現時点ではスケジュールは未定。
今回サービス開始した送金や決済は、Revolute Tecnology Japan社が資金移動業として展開しているが、証券や暗号資産などのサービスに向け、レボリュート・ジャパン社を設立。第一種金融商品取引業として申請予定という。
特に、証券サービスや暗号通貨については、規制当局とのやりとりやオペレーションの問題などからサービス開始には時間がかかりそうだという。
日本で早期のサービス開始を予定しているのは、金・銀取引。Revolutユーザーは、アプリ上から金と銀の購入・取引が10円から可能となり、ユーザー間で金・銀を送りあえる。
また、保護者の見守りのもと7歳からはじめられるジュニアアカウント「Revolutジュニア」も展開予定。子どものお金の管理のほか、親から子へマネースキルを教えることもできる。
日本市場に参入した理由は、「世界第三の経済大国であることはもちろんだが、日本における海外送金や為替には課題があり、送金・両替の手数料が高く、着金までの時間がかかる。Revolutでは平日無料で、リアルタイムで送金できる。海外送金や為替に強みがあるRevolutは、この領域で革命を起こせる」(Revolut Technologies Japan 日本営業統括 金 海寛氏)と説明。ユーザー拡大とともに機能を拡充し、新たな金融スーパーアプリの実現を目指す。