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LINE「公式アカウント」がパワーアップ。予約など“LINEだけ”で客とつながる
2020年9月11日 09:15
「LINE DAY 2020」では、小売店・飲食店などローカルビジネス向けの新サービスが数多く発表された。新型コロナウイルス問題で変化する顧客ニーズに対応すべく、「LINE公式アカウント」に店舗予約機能などの“非接触接客”に役立つ機能を多数揃えている。
新型コロナウイルスが店舗運営に与えたダメージは大きい。売上減少、雇用維持など問題が数ある中、外出自粛によって客と対面コミュニケーションしづらくなってしまったことに、危機感を覚える店舗関係者は多いことだろう。
「LINE公式アカウント」は、顧客と消費者を結ぶサービスとして利用されてきたが、緊急事態宣言の発令に際して新規開設数が増加している。2020年4月の数値は、前月比で140%。内訳をみると、教育、飲食店など、外出自粛要請の影響が特に大きい業種で開設数が伸びていた。
緊急事態宣言という“非日常”は一応の終結を見たものの、「ニューノーマル」の時代はコミュニケーションの在り方がさらに変わっていくだろうと池端氏は指摘する。
例えば顧客が飲食店に足を運ぶとして、従来であれば大人数の団体がいきあたりばったりで店を選び、店に入ってから注文をするのも珍しくはなかった。対して現在は、集まっても少人数、感染対策がしっかりなされた店かを事前にリサーチし、注文をあらかじめ決めておきたい客もいる。
顧客ニーズが変化した以上、店もまた対応していかなければならない。池端氏は、ニューノーマル時代に合わせた店舗運営をサポートすべく、LINE公式アカウントの機能をさらに改善していくと表明した。
公式アカウントから「予約」が可能に
LINE公式アカウントを友だち登録してもらうための促進策としても機能しそうなのが、「LINEミニアプリ」だ。専用アプリをインストールする手間なく、LINEアプリ内から特定サービスを利用できる機能で、現在は、一部企業に先行提供がはじまっている。雑貨店「3COINS」を展開するPAL CLOSETでは、店舗会員証をミニアプリで提供したところ、新規会員獲得の大幅増に加え、公式アカウントの友だち数が1カ月で10万人増加したという。
7月には、一般ユーザーがLINE公式アカウントに対して無料通話できる「LINEコール」の提供を開始。そして2020年11月以降には、新たに「LINEで予約」のスタートも予定されている。
「LINEで予約」は、公式アカウントから直接、Webや電話で予約手続きが行えるサービス。すでにグルメ情報サイトの「ぐるなび」が対応を決定している。「ぐるなび」サイト上でオンライン予約を受け付けている加盟店であれば、すぐに「LINEで予約」を使えるようになる見込み。
また「LINEプレイス」も新たに提供される。LINEアプリ内からアクセスできる新メディアという位置付けで、その第1弾が2021年2月以降スタート予定の「LINEプレイス for グルメ」である。将来的には美容サロン分野などへの展開も計画している。
「LINEプレイス」では行きたいお店をコレクションしたり、公式アカウントと連携したオンライン予約などが行える。
店頭販促でも新機能
リアル店舗における販促手段としては「LINE POP Media」を発表した。LINEのビーコン機能を活用することで、店舗来店時にLINEアプリを開いてくれたユーザーに対し、おすすめ情報やクーポンを配信することができる。9月からトライアルを開始する。
「紙のPOPと違って、LINE POP Mediaでお知らせを届ければ、ユーザーが自宅に帰った後でも気付いてもらえるようになる。次の来店につながるきっかけを残せる」(池端氏)
店頭キャンペーン用のプラットフォームになるのが「LINEで応募」だ。シリアル番号入力、レシート撮影など、さまざまな形の“応募”を受け付けられる。応募したキャンペーンを一覧管理する機能なども盛り込まれる。
池端氏は「今後はLINE 1つで、顧客とあらゆる場面で繋がりつづけられるようになる。さまざまな接点で得たユーザーデータを、サービスをまたいで連携させることでより深い分析ができるようになる」と、述べている。