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ソニー、次世代FeliCaチップを開発。クラウドでのデータ管理に対応

ソニーは、FeliCaの次世代ICチップを開発した。現行のFeliCa Standard ICチップと互換性を保ちつつ、新たにクラウドと連携したデータ管理が可能となり、第三者の不正利用を防ぐFeliCaセキュアID機能を搭載する。

これにより、サービス事業者はなりすましなどの不正利用を防ぎつつ、オンラインサービスにおいて顧客情報の管理やサービス内容の追加・更新などにクラウド上で柔軟に対応可能となる。同チップと搭載カードの量産開始は、11月頃を予定している。

FeliCaセキュアIDは、FeliCa Standard ICチップの機能(チップ内で電子的な金銭情報や権利情報などのバリューデータを管理する機能)との互換性を確保しながら、クラウド連携が可能。ISO/IEC 9798-4に準拠したアルゴリズムを実装し、ID読み出し時に改ざん検知が可能なため、電子決済や会員サービス等のオンライン型サービスなどの用途でも、サービス事業者が顧客情報の管理やサービス内容の変更・更新などをクラウド上で安全に行なえる。

また、クラウド側で同IDの認証や管理を行なうプラットフォーム環境の整備についても検討していく。

カードとリーダー/ライター端末間の相互認証と暗号通信は、既存サービスとの互換性を備えたDES/AES暗号方式をサポートしつつ、内部構造や記録されたデータの外部からの解析、読み取りを回避する最新の耐タンパー技術を搭載、また、セキュリティーに関する国際標準規格ISO/IEC 15408の評価保証レベル「EAL6+」を6月に取得している。同ICチップは、PTPP(Public Transportation IC Card Protection Profile)に準拠。なお、日本鉄道サイバネティクス協議会によって制定されるICカード乗車券に関する規格(サイバネ規格)には準拠していない。

FeliCaは、交通乗車券や電子マネー、アクセスコントロール兼用の社員証の市場で普及しており、累計14億個以上のカード向けICチップやモバイルFeliCa ICチップを出荷している。非接触IC技術を使用するため、利便性に加えて、衛生管理の面でも優れていることを特徴としており、今後、次世代FeliCa ICチップを搭載したカード以外の形状の製品やリーダー/ライター製品などを幅広く開発、製品化していく。