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ヤマト、さとうきび由来PETの新制服。高い伸縮性と耐久性
2020年8月21日 14:41
ヤマトホールディングスは、「働きやすさ」と「環境への配慮」をコンセプトにした新制服を製作。9月16日からセールスドライバーや窓口受付スタッフが着用する。
従来制服の生地は再生PET素材だったが、新たに植物由来PETを使用。新素材設計により、従来よりも大幅な伸縮性を実現しながら、日常業務に十分な強度と耐久性を実現した。
安全性としては、高輝度の反射材をデザイン要素として使用(防寒着、ブルゾン、ベルト、安全靴)。夜間の視認性を確保した。帽子つばの長さは一般的な帽子より短めにし、車両運転時の上部視認性を確保している。安全靴のインソールも改良し、衝撃吸収性を向上させた。
防寒着、ブルゾンの撥水性も向上。スプレーを使った「はっ水性試験(JIS L 1092)」では最高の5級評価を受けた。防寒着は中綿の量を調整した3種類から地域毎に選定可能。前開きのファスナー部分に被さる布を二重にして防寒性を向上した。
植物由来PETは、さとうきび廃糖蜜(砂糖をつくる工程の副産物)を粗原料とし、モノエチレングリコール(MEG)を合成したポリエチレンテレフタレート(PET)。植物(さとうきび)約30%由来の素材となる。
植物由来PET素材は、量産環境が世界的にみても整備されていないことから、生産コストが高く、採用する企業が少ない現状だった。今回は、東レ及び、帝人フロンティアに量産可能な生産環境を構築することで実現している。
同素材を使用した制服の初回製造枚数は約220万点。一般的な化石燃料由来PET素材と比較し、約500tのCO2削減効果があるとする。これは、東京ドーム約24個分のブナの天然林(約110ha)が1年間に吸収・蓄積するCO2量に相当する。
植物由来PET素材を使用した商品としてタイプI環境ラベル(日本では「エコマーク」)の認定を取得。使用後の制服(生地すべて)は、マテリアルリサイクルを実施し、資源循環を促進する。
デザインは、ファッションブランドを中心に活躍するデザイナーの相澤 陽介氏。これまで築いてきた伝統や信頼を継承しつつ新たな100年に向け革新的な制服としてデザインされた。