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アシックス、パーソナルトレーナーになるスマートシューズ「EVORIDE ORPHE」

アシックスは、ミッドソールの内部にセンサーを搭載したスマートシューズ「EVORIDE ORPHE(エボライド オルフェ)」の、「Makuake」での先行予約販売を開始。オンライン発表会を実施した。Makuake特別価格はセンサーとセットで31,500円。予約期間は7月21日から10月18日まで。

EVORIDE ORPHEは、足の動きをデータ化するセンシングソリューション「ORPHE TRACK(オルフェトラック)」などを開発するno new folk studio(以下、nnf)と共同開発した、アシックスとしては初めてのスマートシューズ。アシックススポーツ工学研究所 主任研究員の猪股貴志氏によれば、3年かけて研究を進めてきたという。

ミッドソール(甲被と靴底の間の中間クッション材)の内部に搭載したセンサーによって、走行中の距離、ラップタイム、ストライド、ピッチ、着地エリア・時間、接地の角度、着地衝撃などのデータを取得。センサーから得られたデータと、アシックススポーツ工学研究所の持つ知見を組み合わせ、脚と足元にフォーカスした5項目で走り方を評価したスコアを算出する。

ランナーの足運びの特徴や改善すべきポイントを可視化するほか、その特徴に応じてパーソナライズされたアドバイスやおすすめのトレーニングメニューを提供。ランニング中にリアルタイムで音声コーチングを受けることもできる。特に評価の低い項目に対して改善のためのアドバイスを行なう。

ランニング中は、ランナーが任意に設定した距離や時間ごとにデータを解析し、そのデータに基づいて、キック力が小さいランナーに対しては「ストライドを長く」など、今すぐに改善が必要なところを音声でアドバイスをする。

ランニング後には、全体のデータを解析してスコアを算出。結果は右足と左足それぞれ、レーダーチャートで確認できるため、左右差がある項目も視覚的に理解することが可能と説明した。あわせて、走り方に関するアドバイスや、走り方を改善するために必要な筋肉を鍛えるためのトレーニングメニューを提示する。

ベースとなるシューズには、ランニングシューズの「EVORIDE」を採用。靴底前部にカーブを設けた「GUIDESOLE」を採用しており、少ないエネルギーで足を前に運べるとともに、着地時の柔らかな感覚を特徴としている。

一歩単位でリアルタイム解析する「ORPHE CORE 2.0」

スマートシューズ専用センサーモジュール「ORPHE CORE 2.0」とスマホアプリ「ASICS ORPHE RUN」は、nnfが開発。ORPHE CORE 2.0は外形寸法45×29×14mm、重量約20gで、ミッドソールの内部に搭載。動作時間は約7時間で、スマホとはBluetooth Low Energy(BLE)で連携する。

nnf代表取締役CEO 菊川裕也氏は、2019年に発表した1.0から小型・軽量化を実現しており、シューズの機能性を損なわないと述べた。また、左右の足を別々に、毎分などのタームではなく、一歩単位でリアルタイム解析しているという特徴を強調した。

猪股氏によれば、製品化によって多くの人が使うことにより、データがさらに集まることで、今後より良い製品の提供につながると述べた上で、未来の製品をみんなで作っていきたいと話した。

アシックス スポーツ工学研究所所長の原野健一氏は、デジタル技術を活用したパーソナライゼーションにより、明日からランニングを始めようとする人にも、トップアスリートにも、それぞれに最適な価値を提供し、サポートする製品であると説明。

アシックス 代表取締役社長COO 廣田康人氏は、新しいランニング体験を提供するとともに、Makuakeの活用を通じてユーザーの声を聞きたいと話した。

サイズは、メンズが25.5cmから29.0cm、ウィメンズが23.0cmから26.5cm。カラーはブラック×ピュアゴールドとホワイト×ピュアゴールドの2色で、ホワイトはMakuakeのみで展開。

Makuake購入での商品の発送は11月以降順次、ホワイトは2021年3月頃。12月からはアシックス一部直営店、アシックスオンラインストアでの販売を計画している。アシックス関連店舗での価格は、センサーキット付き33,000円。

Makuakeでは、早期購入割引や複数購入割引なども用意。またセンサーキットなしも用意され、価格はMakuakeで11,500円、アシックス関連店舗で12,000円。

そのほか7月23日から、アシックスラン東京丸の内にて、ランステーション利用者を対象としたEVORIDE ORPHEの試し履きを実施する。先着順で、電話での事前予約可能。