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モスバーガー、分身ロボットによる遠隔レジ「ゆっくりレジ」

モスフードサービスは、分身コミュニケーションロボット「OriHime」を用いたリモートレジ「ゆっくりレジ」をモスバーガー大崎店で実験導入すると発表した。

子育てや介護、身体障がいなど様々な事情で外出が難しい人の分身として、ロボットによるリモート接客を行なう趣旨の実証実験。「ゆっくりレジ」は、会話を楽しみながらじっくりと商品を選びたい顧客に向けた運用となる。OriHimeを操作する遠隔スタッフは商品の注文受付までを担当し、決済は有人レジで行なう。

実証実験は、7月27日から8月下旬までの約1カ月間、モスバーガー大崎店で平日14時~18時の時間帯に実施される。実証実験の遠隔スタッフ(パイロット)には、関西在住の酒井麻椰さんと竹久滉人さんが参加。両名とも難病を患っており、外出が難しい立場で、今回の実証実験に協力している。OriHimeのそばにパイロットのプロフィールを紹介する案内掲示を設置し、利用客とパイロットのスムーズな会話を促す。

OriHimeは、オリィ研究所が開発した分身コミュニケーションロボット。全長23cm、カメラとスピーカー、Wi-Fiインターフェイスを備える。操作者の声と併せて首と腕を動かすことで、声とジェスチャーによる感情表現が行なえる。テレワーク向けのアプリとセットにした「OriHime Biz」や、障がいのあるユーザー向けに視線入力やスイッチで操作し、コミュニケーションの補助を行なう「OriHimeeye+Switch」などのサービスを提供する。

今回の実証実験には使われないが、2018年には物の持ち運びや移動などが可能な「OriHime-D」を発表しており、活用例として、パンフレットなどの配布や、配膳、演劇などへの参加などを提案・模索している。

モスフードサービスは、今回の「ゆっくりレジ」の成果をもとに、ドライブスルー注文への応用や、自走式ロボットによる配膳業務などを検討。2020年度内の実験開始を目指す。