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唾液によるPCR検査を導入。従来法より負担軽減

厚生労働省は、唾液を使ったPCR検査を導入する。従来行なわれていた、鼻から採取する鼻咽頭ぬぐい液によるPCR検査と、唾液によるPCR検査の結果を比較したところ、発症から9日以内であれば良好な一致率が得られたことから、唾液によるPCR検査が可能と判断したもの。検証には島津製作所などの検出キットが使用された。

鼻咽頭を拭う方法に比べて、検体採取時の感染防御の負担や、人材確保の負担が軽減するという。

これにより、検査実施のためのマニュアル改訂や、PCR検査キットの一部変更承認・保険適用などが実施される。

厚生労働省では、唾液による検査を検証するにあたり、新型コロナウイルスに感染したと診断され、自衛隊中央病院に入院した患者の凍結唾液検体(発症後14日以内に採取された88症例)を用いて分析。鼻咽頭ぬぐい液との検査結果の一致率を検証した。その結果、発症から9日以内の症例ならば、PCR法およびLAMP法において、両者に高い一致率が認められたという。

検証では、島津製作所の「2019新型コロナウイルス検出試薬キット」、タカラバイオの「SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit」、東洋紡の「SARS-CoV-2 Detection Kit」を使用。いずれもDNAの核酸抽出・精製などがいらないダイレクトPCR法によるもので、従来のPCR検査よりも短時間で検査が完了する。