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経費精算のコンカー、Suica・LINE Payと連携。税制改正に向け

コンカーは、同社の経費精算・管理システムと、SuicaおよびLINE Payとの連携による、Suicaやアプリの決済データからスマホを使って経費申請ができるシステムを開発する。Zoomによる記者発表を実施した。

経費精算に関わる「令和2年度 税制改正」(令和2年度 電子帳簿保存法改正)を見据えての取り組み。2019年12月に政府が発表した税制改正大綱によれば、これまでは税務調査に備えて紙の領収書かスキャンしたデータのどちらかの保存が必要だったが、アプリでの決済における利用明細データ(デジタル明細)があれば、紙の領収書が不要になることが見込めるという。施行予定は10月。

デジタル明細が受領できるキャッシュレス決済は、クレジットカードのうちコーポレートカード(個人カードは不可)、交通系ICカード、QRコード決済を挙げる。このうちクレジットカードに関しては、すでにコンカーとの決済データ連携が可能となっている。またQRコード決済に関しては、LINE Payのほか、PayPayとの連携が進められている。

交通系ICカードとの連携は、Suica、nimocaとの実証実験を実施しており、現在有償サービス化に向けて「Concur Tap to Expense」等の開発が進められている。

Concur Tap to Expenseは、iOS 13以降/iPhone 7以降のiPhoneを交通系ICカードにかざすことで、利用日・金額・乗降駅といったデータを読み取り、Concur Expense上での経費精算レポートの作成をサポートするアプリ。販売開始は2020年秋頃見込みで、Androidへの対応も計画している。

利用の流れは、同アプリでICカードのデータを読み取ると、Concur Mobileアプリに連携。読み取ったデータから私的利用のデータを除外し、精算を行なう。

QRコード決済との連携では、各スマホ決済アプリからの精算、および会社からの精算代金をスマホ決済アプリで受け取れる(会社がスマホ決済アプリに対して支払う)というサービス。

LINE Payについては、6月ごろから精算代金受取りサービスの提供を予定。経費利用情報(日付・金額等)を即時、Concurに自動送付するという経費精算の連携は、年内対応に向けて検討中としている。

PayPayでは、個別の支払いで連携。レシートの画像を要するという声に応えるため、レシートを撮影して、画像とPayPayの支払い履歴を連携した上で、経費精算システムから申請する。PayPayとの連携は6月予定だが、デジタル明細による精算が有効となるのは法改正施行後。

経費の支払いにスマホ決済アプリを利用するメリットとして、手数料のコストを挙げる。銀行を利用した支払いにおける手数料では、特に中小企業の場合、大企業と比べて不利な場合があるという。その点、PayPay、LINE Payはコスト面で、有望な手段になるとしている。

コンカーが掲げる「ビジネスキャッシュレス構想」

コンカーは、経理部門のテレワーク化を阻害する要因として、紙の書類の存在を挙げる。またアナログの経費精算により、手入力や領収書ののり貼りの「時間」、管理職の承認や経理部門の確認といった「管理」、経費精算のためだけの「出社」という、3つの無駄が発生すると訴える。

この課題を解決するため、コンカーは「経費精算という仕事をなくす」という目標を掲げ、そのための3つのステップとして「ビジネスキャッシュレス」、「承認レス」、「AI不正検知」を進める。

ビジネスキャッシュレスについては、新税制のもと、デジタル決済データを自動連携させるという今回発表した内容を挙げる。

承認レスについては、違反や不正がなければ上長/経理承認は不要であるとし、これに関わる部分で、AI不正検知の開発を進めている。承認レスを取り入れている企業は、すでにあるという。

これらにより企業においては、経費精算を行なう従業員および経理部門等の業務負荷削減が見込めると説明した。