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JR東日本、CO2排出量ゼロ目指す「ゼロカーボン・チャレンジ 2050」

JR東日本は、2050年度のCO2排出量ゼロを目指す「ゼロカーボン・チャレンジ 2050」を策定した。自営火力発電所の発電効率向上や自然エネルギーの活用、超伝導技術の活用などにより、エネルギーネットワークを改善することで脱炭素社会への貢献を目指す。

具体的には、2013年度のCO2排出量215万トンから排出量を段階的に引き下げ、2030年は-50%となる108万トンに削減。2050年に実質ゼロとする。実質ゼロとは、排出されるCO2と同じ量のCO2を吸収・回収・利用するなどして事実上ゼロとすること。

これにあわせ、2030年度までの鉄道事業におけるCO2排出量とエネルギー使用量の目標を現行目標からさらに削減。CO2排出量は現行の-40%から-50%に、エネルギー使用量は-25%から-40%にすることを目標とする。

具体的な手段としては、同社の「つくる~送る・ためる~使う」までのエネルギーネットワークの全フェイズで、新技術を積極的に導入。他の企業や研究機関等とも連携し、技術イノベーションを推進するための体制を整備する。

「つくる」フェイズでは、自営発電所効率向上や、再生エネルギー整備の推進など、再生エネルギーを中心とした低炭素電源を活用。

「送る・ためる」フェイズでは、回生電力貯蔵装置、超伝導フライホイール、水素貯蔵供給システムなどによってエネルギーを有効活用する。

「使う」フェイズでは、車両の省エネ化や、駅・オフィスの省エネ・創エネ設備拡大、高輪ゲートウェイ駅周辺開発に代表される、先進的な環境都市作りなどによって省エネを徹底する。

その他、カーボンニュートラルLNG、CO2フリー水素発電・供給や、超伝導き電ケーブル、CO2回収・貯蔵・カーボンリサイクルの開発、車両の省エネ技術革新や燃料電池車両など、さまざまな技術を投入していく。

また、再生可能エネルギーで発電された電力を東北エリアの駅や電車に供給。2030年度までに東北エリアにおけるCO2排出量ゼロを目指す。

これらに加え、JR東日本エネルギー開発と共同で、太陽光、風力発電プラントの調査・開発を推進。2050年度までにJR東日本の鉄道事業で使用するエネルギーのうち、約30から40%を再生エネルギーによって賄うことを目指す。これに自営水力発電所を加えると、約50から60%を賄うことになるという。