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タクシーで出前配達。出前館とJapanTaxi、MOVのMoTが提携

出前サービスの「出前館」と、タクシーアプリ「JapanTaxi」や「MOV」を運営するMobility Technologiesは、5月1日に業務提携を締結した。出前館の配達ニーズと、MoTが提携するタクシー事業者とのマッチングにより、逼迫する出前サービスの配達機能拡充と外出自粛により需要減少しているタクシーの有効活用を目指す。

業務提携により、出前館が飲食店に向けて提供する配達代行サービス「シェアリングデリバリー」の配達方法のひとつとして、MoTと提携しているタクシー事業者の一部車両が配達業務を担う。出前館での注文に対して乗務員が配送を承諾し、マッチングした際には、マスク着用の乗務員が食事を店舗へピックアップに行き、利用者の元へタクシー車両を使って運ぶ。

対象となるのは、出前館と、LINEデリマ、dデリバリーの注文で、実施期間は5月1日から5月13日を予定。対象エリアは、東京(銀座、神田など八丁堀エリア)と、神奈川(新横浜などセンター南エリア)、大阪(梅田、難波など今里エリア)などで順次拡大予定。なお、タクシーアプリのJapanTaxi、MOVからの注文は不可。

対象となるタクシーは、有償貨物運送許可を取得している日の丸交通、アサヒタクシー、新大阪タクシー、東京・日本交通などの一部車両。

4月21日に、国土交通省が道路運送法に基づく特例措置として、タクシー事業者による有償貨物運送の特例を通達。これにより、両社は、タクシー事業の維持と出前領域における配達方法の拡充を目指して提携する。

タクシー業界は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛要請等により、全国的に人の移動に制限がかかったことから、売上が前年同月比54%減と、大きな影響を受けている。一方、自宅で過ごす巣ごもり消費により、出前の需要増加は著しく、出前館の注文数は前年同月比21%増。今後の需要拡大も見据えた上で、配達方法の拡充が急務としている。