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トヨタ、医療用防護マスク生産や軽症者移送など医療現場支援
2020年4月7日 22:57
トヨタ自動車とトヨタグループ各社は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医療現場の支援策をまとめた。自動車産業の製造・物流面でのノウハウやサプライチェーンを活かし、医療用フェイスシールド(防護マスク)を生産するほか、軽症の感染者移送に対するサポートなどに取り組む。
医療現場や医療用品に対する支援は、以下の6点。
- 医療用フェイスシールド(防護マスク)生産
- トヨタ生産方式(TPS)活用による医療機器メーカーの生産性向上への協力
- 軽症の感染者移送に対するサポートの検討
- サプライチェーンを活用したマスクなど衛生用品の調達支援
- 医療機関にて活用可能な備品の供給
- 治療薬開発や感染抑制に向けた研究支援への参画
医療用フェイスシールドの不足に対し、試作型や3Dプリンターなどで製作し、医療機関へ提供。トヨタ自動車貞宝工場で、試作型による医療用フェイスシールドの生産準備を進めており、週500~600個程度から生産を開始。グループ企業でも生産可能か検討している。
また、医療機器メーカーによる人工呼吸器を始めとする医療機器の増産に対し、トヨタ生産方式(TPS)のノウハウ活用による工程改善など、生産性向上への協力を検討。トヨタ自動車を中心にTPS支援チームを結成し、支援のための調整にはいった。
軽症の感染者移送もサポート。東京都内などの感染拡大地域における、軽症の感染者の医療機関や待機施設、自宅などに移送する際の運転者の感染を抑えるため、JPN TAXIなどの車両の車室内での飛沫循環を抑制する方法について検討を開始している。
また、トヨタ自動車のサプライチェーンを通じ、医療用マスクや防護服、体温計など衛生用品の調達支援に向けた取組みを勧めているほか、病院向けの簡易ベッド台、消毒液容器、医療機関等での簡易間仕切り壁など、医療機器以外で必要とされる備品の生産協力について、アイシン精機が調査を開始した。加えて、治療薬開発や感染抑制に向けた各国の研究支援を目的に、カナダD-waveが進める量子コンピューターの利用サービスの無償提供プロジェクトにデンソーが参画。利用促進に向けた技術支援を行なっている。