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大阪府、リニア全線開通後を見据えた新大阪駅周辺開発方針

大阪府は、新大阪駅周辺地域の再開発について、まちづくり方針の骨格を公表した。2037年のリニア全線開通を踏まえ、新大阪駅周辺の20年から30年先を見据えた新しいまちづくりを目指す。

同地域は2018年8月に内閣府から「都市再生緊急整備地域の候補となる地域(候補地域)」として指定。国や大阪府、民間事業者などが将来のまちづくりについて検討を重ね、「新大阪駅周辺地域都市再生緊急整備地域 まちづくり方針の骨格」を取りまとめた。

同方針は、リニア中央新幹線の全線開通による「スーパー・メガリージョン」の形成など、新たなインパクトに備え、新大阪駅周辺の20年から30年先を見据えた新しいまちづくりをコンセプトとするもの。

開発検討対象地域は、新大阪駅周辺を中心に、直近の鉄道交通結節点となる、十三駅周辺、淡路駅周辺も含めた範囲が対象となる。

リニアの開通により、東京など主要都市圏への所要時間が大幅に減少する新しい交通ネットワーク形成によって、実質的に7,000万人規模の巨大都市圏が形成されることを前提に、アジアの発展や、Society5.0(超スマート社会)の到来、災害への対応、SDGsを踏まえた街づくりを目指す。

「スーパー・メガリージョンの西の拠点」として、交流を促進。多様な人や情報を融合して新たなビジネスを生み出すことが重要とし、ビジネス・産業を促進する機能を一体的に提供する。観光・文化などにも注力し、ツーリストのベースキャンプとして、日本各地とのネットワークを構築する。これらを実現するため、低利用な民有地の開発促進、公共空間と、民間建築物の重層的活用の促進、開発者と、利用者側のネットワーク構築などを行なう。

また、広域交通ネットワークの一大ハブ拠点として、多様な交通サービスの提供や利用者一人一人に最適な交通モードへの乗換利便性を向上することで交通結節点機能を強化。国内外の利用者が安心して利用できるユニバーサルデザインの街づくりや、移動のシームレス化などを実現する。このため、新大阪駅の交通広場での立体的な空間利用の促進、地域内の回遊性を高めるシームレスな交通システム実証を行なう。

その他、日本の国際都市としての顔にふさわしい都市空間として、新しさと歴史を持つ深みのある高質な都市空間を創造。淀川の活用など、光、緑、水などを効果的に利用して心地よい空間作りを目指す。

今後は、新大阪の動きを国内外に広くプロモーション。民間都市開発の機運醸成、新たな事業の創出、人の集積などの動きを作り出すほか、プロジェクト実現に向けた取り組みを官民連携で推進。早期実現可能なものは適宜、具体化を進めるという。