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札幌市に国内初高層ハイブリッド木造ホテル。三菱地所
2020年3月26日 14:28
三菱地所は、北海道産木材を活用した国内初の高層ハイブリッド木造ホテル開発計画「(仮称)⼤通⻄1丁⽬プロジェクト」を札幌市中央区で開始する。11階建てで、1階から7階は鉄筋コンクリート造、9階から11階が木造のハイブリッド構造を採用。2021年秋開業予定。
同社初となる北海道でのホテルアセット開発事業。竣工後は三菱地所グループのロイヤルパークホテルズアンドリゾーツによる北海道第一号のホテルとなる。設計監理は三菱地所設計が担当し、グループの総合力を結集したプロジェクトとしている。
低層部は鉄筋コンクリート造、中層部は木造と鉄筋コンクリート造のハイブリッド造、高層部は純木造となるハイブリッド構造。同社がこれまで行なってきた、木材の建物構造部や外装部への活用の成果を集約し、汎用性が高く経済的な「木材活用」を実現する。
使われる木材は約1,050m3で、約80%が北海道産。地元産業の振興に貢献する。
1階から7階フロアは、鉄筋コンクリート造で、壁面や壁などの構造部分以外にも木材を利用。木のぬくもりを感じさせる居室空間とする。3から7階については、天井に使われるコンクリートの型枠用木材をそのまま残すことで「木質化」。通常は破棄される型枠を残すことでローコスト化と、工事工程の簡略・短期化に貢献している。
8階はハイブリッド造で、柱梁壁が鉄筋コンクリート、床は北海道産トドマツ(CLT)を使用する。9階から11階の⽊造躯体を鉄筋コンクリート部で支持する役割も持つ。
9階から11階は純木造構造で、木造躯体部分は1時間耐火被膜仕様。建物構造を高耐力の枠組壁面で支える工法により面で支えるため、柱形や梁型の出ない客室を設計できる。床面は北海道産トドマツを使用する。
建物の外観デザインは、北海道産タモを使用した木製ルーバーをあしらい、経年変化や見る方向により色や木目が変化。外装用炭化コルクパネルも使い、建物の木質化と環境配慮も実現する。敷地前の大通公園や沿道の街路樹の風景との一体感を狙い、低層部には開放的な開口デザインと木材を基調とした内装デザインを計画している。
ホテルとしては、ミレニアル世代の宿泊ニーズに応え「FUN」「LOCAL」「CONNECT」に価値を置くライフスタイル型ホテルブランド「ザ ロイヤルパーク キャンバス」を展開。ロビーなどでも北海道産木材を採用し、北海道らしさ「LOCAL(=地元・地域)」を表現する。
客室、ラウンジ、レストラン、ジムで構成され、客室数は約130室。
所在地は札幌市中央区⼤通⻄1丁⽬12番2、13番1。地下鉄「大通」駅、23番出口徒歩1分。地下1階、地上11階で、敷地面積約695m2。延床面積約6,160m2。
なお、本計画は、国⼟交通省の「令和元年度 第2回募集 サステナブル建築物等先導事業(⽊造先導型)」に採択され、その補助⾦制度を活⽤している。