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高輪GW駅に“PLC”で調光可能な照明。パナソニックとJR東日本
2020年3月4日 13:26
パナソニックとJR東日本は、PLC(電力線通信)による調光調色が可能な駅ホーム用照明制御システムを共同開発。3月14日開業の高輪ゲートウェイ駅に594台の照明器具を納入した。PLC制御による調光調色照明制御を駅のホームに本格採用するのは国内初。
時間や天候に応じて調光調色制御を行なう。日中は自然光との調和をはかり、昼白色から白色の光で照明。夕方からはコンコースと合わせて電球色の温かみのある光の照明にする。
PLCとは、電力線に高周波の通信用信号を伝送することで、電力供給と通信をケーブル一本で可能にするもの。信号線が不要なため取り付けを簡略化できる。
調光などが可能な照明は外部からの通信制御が必要で、通常は電力線とは別に通信用の配線が必要になるが、費用と工期がかかるため、駅での照明制御システムの導入例は多くないという。特に駅構内では、工事可能な時間が終電から始発までの短時間と限られるため導入がしづらかった。無線LANなどを使う方法も考えられたが、混信による通信性能低下の可能性がある。
そこで、PLCによって、取り付けの簡略化と通信安定性を確保することで駅ホームでの照明制御システム導入を可能にした。
共同開発では、屋外使用の法整備が進んでいる低速PLC(10から450kHz)のうち、電気環境ノイズの影響を受けにくい「G3-PLC」方式を採用。実際の駅では、構内の無線や列車発停車に伴う電磁波なども影響するため、そうしたノイズを測定し、環境内で正常に動作するよう回路設計をした。試作機は2017年7月から12月まで、千葉駅ホームでフィールド試験を実施し、実環境で運用可能であることを確認したという。
高輪ゲートウェイ駅では、コンコースや外構などにもパナソニックの照明機器や統合監視システムなどをが導入されている。