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「ZOZOSHOES」スタート。3D計測で最適な靴をおすすめ ゾゾスーツの教訓活かす
2020年3月4日 12:26
ZOZOは、靴の専用モール「ZOZOSHOES」(ゾゾシューズ)を3月4日より開始する。多数の靴を揃えるほか、足のサイズを3D計測できる「ZOZOMAT」を使って、そのデータを元に最適なサイズを教えてくれる専用モールとして、「最もシューズが買いやすいECを目指す」という。
ZOZOMATは、一般的に足のサイズの目安として参考にされる「足長」だけでなく、甲高・幅広など人それぞれの足型データを取得できる。そのデータを元に、足型と相性のよい靴をZOZOSHOES上で“相性度”として表示。ひとりひとりの足型に相性のよい靴を教えてくれる。サービス開始当初は約100種類のシューズが対応しており、順次対応シューズを拡大していく。
ZOZOMATの採寸技術の詳細は明かしていないが、「靴の内寸を使わずにできる技術を開発した」とのこと。ドットマーカーがついた紙製のマットに足を載せ、スマートフォンのカメラを使って、足の形を高精度に3Dデータ化できる。ユーザーは、アプリの音声案内に従い撮影するだけで、足の大きさや、甲高や足幅、かかと幅など、足の形をmm単位で3D計測でき、アプリ内で3Dデータとして確認できる。ZOZOMATは、ZOZO IDがあれば無料で配布申請が行なえる。
靴ではメーカーや種類ごとに、同じサイズ表記でも「やや小さめ」、「幅広」といった傾向がある。例えば、アディダスとコンバースでは同じサイズ表記でも、実際のサイズ感が異なってくる。ZOZOSHOESは、ZOZOMATの独自の採寸技術により靴と足型のマッチングを行なうため、メーカーごとの違いに依らず、最適なサイズを提案できるという。
なお、おすすめの対象となるシューズは、開始時点では約100種類。対応シューズは「季節性や、商品の在庫数などを見てブランドと話して決めている(伊藤正裕COO)」とのことで、スニーカーやパンプス、ドレスシューズなどが多い。
サイズレコメンドシステムの構築は完了しているため、今後は種類を拡大していく方針で、「夏にはサンダルとか、秋冬はブーツもほしい、といった季節需要にも対応していく」とした。なお、ZOZOSHOESで購入した商品の返品対応も行なう。
また、ZOZOSHOES上では靴に特化したオリジナルコンテンツも多数用意。定番シューズブランドの紹介や、ベストセラーアイテム、トレンドアイテムなどの魅力を紹介していく。足型との“相性”だけでなく、靴自体の魅力をサイトから発信していく。
サイトのデザイン(UI)も靴に特化。ブランドやカラーによる検索だけでなく、シーンや機能などからの検索、シューズに特化した検索などを用意。機能面では撥水や防水などから絞り込んでシューズを見つけられる。
また、ZOZOMATで計測し、好みのシューズを選ぶと抽選で1万名にそのシューズをプレゼントする「ZOZOSHOESオープン記念10,000足プレゼントキャンペーン」を4月15日まで実施する。商品は6月中旬までに順次発送する。
「最もシューズが買いやすいECを目指す」
ZOZOTOWNでは、服だけでなく取り扱い商品を広げており、これまでもシューズを取り扱ってきた。さらにカテゴリを強化し、アパレル全般に広げる第1弾が「ZOZOSHOES」となる。
ZOZO取締役兼COOの伊藤正裕氏は、「靴の国内市場規模は1.4兆円と言われている。現在のZOZOTOWNのシューズ売上は約400億円だが、1,000億円を超える規模にしていく」と語りZOZOSHOESの取り組みを紹介した。
ZOZOMATは2月27日より配布開始。ZOZOTOWNで配布を受け付けており、受付数は71万件。発送開始からの5日間で実際に採寸されたのは84,312件。SNS上では「いまさら送られてきた」(当初は2019年秋の配布予定)という声が一番多いものの、その精度を評価するユーザーの意見も多いという。
ZOZOMAT+ZOZOSHOESで狙うのは最適なサイズの靴の販売。ユーザーアンケートでは、ネットで靴を購入する際の不安として一番多い意見が「サイズ」。その不安を解消するためにZOZOMATを活用する。ZOZOMATにより、メーカーや靴の種類ごとのサイズの違いを吸収できる点も特徴で、「服を売るサイトでちょっと靴を売る。ではなくて、靴に特化してやっていく。最もシューズが買いやすいECを目指す」とした。
ZOZOは、'17年からスマホとカメラで採寸して、自社制作のスーツやアンダーウェアなどを展開する「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」を展開したが、ビジネスとしては拡大せず、失敗に終わった。「その教訓を活かして万全の体制でやりたい」(伊藤COO)。教訓とは、靴そのものは自社では作らず、靴と人の「マッチング」に特化すること。「『自分のサイズを知りたい』というニーズが大きいことはZOZOSUITでわかった。服もブランドと一緒にやっていくが、靴も自社で作るのではなく、今ある素晴らしい靴とのマッチングをZOZOが行なう。そこがZOZOSUITからの学び」とした。
またZOZOがヤフー/Zホールディングス傘下となったことから、ZOZOTOWNの出店社を「PayPayモール」にも出店するよう促し、ヤフーとの連動性を高めている。ZOZOSHOESについては、当面はZOZOの独立したサービスとして展開し、PayPayモールへの出店予定はない。