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新型コロナウイルス対策で政府基本方針。広く外出自粛を求める

政府は25日、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を発表した。国内の複数地域で、感染経路が明らかではない患者が散発的に発生、一部地域には小規模患者クラスター(集団)が把握されていることから、「感染の流行を早期に終息させるためには、クラスターが次のクラスターを生み出すことを防止することが極めて重要」と現状を分析。検査体制を変更するほか、外出自粛への協力を求めていく方針に改める。

現時点での対策方針は以下の3点。

  • 流行の早期終息を目指しつつ、患者の増加のスピードを可能な限り抑制、流行の規模を抑える
  • 重症者の発生を最小限に食い止める
  • 社会・経済へのインパクトを最小限にとどめる

感染状況の把握については、医師の届出により疑似症患者を把握し、医師が必要と認めるPCR検査を実施している現行の形式を改める。今後、患者が増えている状況においては、入院を要する肺炎患者の治療に必要な確定診断のためのPCR検査に移行。あわせて国内流行状況を把握するためのサーベイランス(発生動向調査)の仕組みを整備する。

感染防止策も、地域で患者数が増えている状況では、積極的疫学調査や濃厚接触者に対する健康観察を縮小し、広く外出自粛を求める対応にシフト。一方で地域状況に応じて、患者クラスターへの対応を継続、強化する。また、学校等の感染対策の方針提示や臨時休業の実施においては、都道府県等から設置者に要請する。

医療体制についても、一般の医療機関にも拡大。地域で患者数が増えた場合、診察時間や動線を区分するなどの感染対策を講じた上で、新型コロナウィルスへの感染を疑う患者を受け入れる。あわせて、重症者を多数受け入れる見込みの感染症指定医療機関から順に、帰国者・接触者外来を段階的に縮小する。

風邪症状が軽度の場合は、自宅での安静・療養を原則とし、状態が変化した場合は、相談センターやかかりつけ医に相談した上受診する。また、院内感染対策の徹底や、高齢者施設における感染拡大防止なども呼びかけている。