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NEC、音で個人を識別する「ヒアラブルデバイス」

NECは、耳音響認証技術で個人を特定し、さまざまなセンシングデータとの紐付けで一括管理・分析ができる「NECヒアラブルデバイスキット」を販売開始した。トライアルとして6カ月間利用できる。工場や屋外作業現場などで、管理者が作業員の作業内容を把握したり、環境に応じた安全確保などを円滑にするためのサービス。

耳音響認証技術は、人間の耳穴の形状を生体認証に活用する技術。人間には聞こえない高周波(18から48kHz)の音を耳穴(外耳道)に送出し、その反射音を分析することで個人の特徴を抽出する。反射音となった30kHzから40kHzの周波数帯は、個人差が現れやすく、特徴をとらえやすい。

イヤホンのような形状のデバイスで、常時認証を実行でき、外耳温度センサーからバイタル情報、加速度センサーから活動量計を計測・収集。これを個人と結びつけてデータをクラウド環境に送り、可視化・分析する。

アクティブノイズキャンセリング機能により、騒音環境下でも作業内容などをクリアな音声データとして保存できるという。Bluetoothヘッドセットとしても利用可能。

システム構成

これにより、製造現場などで有資格者などの本人確認や、作業者ごとの作業内容、時間を記録できるため、業務改善ポイントの把握や、マニュアル化が可能。作業者スキルの平準化や生産性向上を支援する。

高所やカメラが設置できない場所などでも作業内容を把握でき、防護服の着用時など、一人作業の場合でも作業者の状況を把握して支援できる。メガネやマスクをした状態でも認証ができるため医療現場の本人確認などにも利用できる。

今後は、ヒアラブルデバイスを活用した業務スタイル実現と、幅広い市場への浸透加速に向け、サービス事業者やデバイスメーカー、システム構築社など、産業パートナーとの共創や実証実験を進めていくという。