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経費精算はもっと楽になる? イマドキの経理・会計サービス
2020年1月27日 09:15
Sansanが主催する、複数社が決められたテーマに沿った自社のサービスを短時間で紹介するビジネスマッチングイベント「Meets」において、経理・会計をテーマとしたイベントが、1月22日に開催された。経理・経費精算を効率化するサービスとして、今どきは、どのようなものが展開されているのかを取材した。
Meetsは、各社6分の制限時間内に自社のサービスをプレゼンするイベント。各回テーマを設け、そのテーマに沿ったサービスを展開する8社前後が登壇。約1時間で全社のサービスを知ることができる。プレゼンタイム後には、個別に詳細の説明を受けられる時間も設けられている。来場客は、テーマに興味のある担当者で、今回の場合は主に経理部門担当者が、自社で使うサービスの検討等のため、来場している。
さて、経費精算は、会社勤めをする多くの人にとって、苦痛な業務の1つであろう。そして経理担当者は、自他ともに負荷を軽減するため、サービスの導入を検討する。当日は会場約150席がかなり埋まっており、多くの企業が負荷軽減を図っているものと見られる。なお、当日は午前と午後の2回実施で、取材をしたのは午前の回。
紹介されたのは7社・8サービス。それぞれの概要は以下の通り。
Dr.経費精算
領収書を撮影するだけで、オペレーターが代行入力をするクラウド経費精算サービス。モバイルSuicaとの連携も可能で、経路検索をして交通費を調べる手間も省けるという。また撮影した領収書は専用ポストで回収し、オペレーターが不備がないかチェックをして7年間保存する。運営はBearTail。
楽楽精算
交通系ICカードのデータ取り込みや、スマホでの領収書撮影による金額・取引先のデータ化等の機能を持つ交通費・経費精算システム。AIが履歴を学習して行先、負担部門・勘定科目・プロジェクトを予測入力することが特徴。また、機能以外の特徴として、設定の柔軟性の高さを挙げ、システムを各社の運用に合わせられることをアピールした。運営はラクス。
Concur Expense/Concur Invoice
Concur Expenseは、従来、紙やExcelで処理していた経費精算業務をクラウドで一元管理できるサービス。スマホで領収書を撮影し、必要な情報を入力して、そのままスマホで提出する。また、Concur Invoiceは、請求書の自動読み取りから管理、分析を行なえる管理クラウドシステム。提供するシステムのポイントは、ガバナンス強化や、分析レポートによる可視化といった、経費管理ができるところであると説明した。運営はコンカー。
Bizプリカ
Mastercard付きの法人プリペイドカードサービス。カード1枚ごとにチャージ額をコントロールできるため、すべての従業員に持たせることができる点が特徴。カード利用時には、管理者等にメールで通知されるほか、残高の確認機能、カードの利用停止機能等を備える。また、月額1枚100円という安さをアピール。さらに、購買データを経費精算ソフトや会計ソフトと繋げるという取り組みを進めているという。運営は、共同印刷100%出資会社のTOMOWEL Payment Service。
Tradeshift
企業同士がSNSのようにネットワークでつながり、様々な電子文書の送受信を可能にする企業間取引プラットフォーム。アプリストアで提供されているアプリを使うことで承認フローの構築や会計システムとのデータ連携などを実現し、経理業務の効率化を進めれられるという。運営はトレードシフトジャパン。
楽楽明細
紙で郵送していた帳票を電子化し、Web・メール・郵送のいずれかの方法で取引先へ自動で発送するクラウドシステム。請求書・納品書、支払明細、領収書など様々な帳簿に対応し、送り方も選べる点を特徴としている。Web発行で1通70円からという料金もアピールした。運営はラクス。
メリービズ
日本全国の経理スタッフが、リモート/オンラインで経理業務を代行する、経理アウトソーシングサービス。経理業務の「忙しい」「採用・育成が大変」「辞めてしまう」「ノウハウ不足」といった課題を解決できると説明。経費精算、請求書発行、月次決算、会計ソフト導入支援のほか、給与計算、勤怠管理も対応可能で、「経理部を全部まるごと」「入金管理だけ」といったカスタマイズもできる。運営はメリービズ。
BtoBプラットフォーム請求書
企業間で発生する請求書の受け渡し業務を、1つのクラウドサービス上で可能。承認機能やデータダウンロード機能、請求書作成機能、発行予約機能など、機能の豊富さが強みと説明。また、会計・販売システムとの連携実績や電子帳簿保存法に対応していることをアピールした。運営はインフォマート。
短い時間で多彩な情報を集められるイベント「Meets」
プレゼンを実施したいずれのサービスも、各社のWebサイトを見てみると多くの機能を備えており、全ての機能を説明していたら相当の時間がかかるものと想像できる。しかし、Meetsでは、1サービスの持ち時間は6分間なので、8サービスのプレゼンに、インターバルの時間を加えても全体で1時間ほどで終了する。
また、1つのテーマに絞られているということもあり、各社が提供しているサービスは類似しているようにも見えるが、プレゼン時間が短いため、たくさんの機能の中で強調したいポイントや注力している方向性に説明内容が集中し、違いが見えてくる。聞く側はサービスを差別化した上で選択できるだろう。
プレゼンタイム後には「相談会」の時間が設けられており、1人2社まで、個別のサービス詳細確認や見積依頼などが可能。また、個別相談以外にも、ラウンジで軽食を取りながら各社のサービスの説明を受けられる。当日相談ができなかった場合も、後日相談に申し込むこともできる。