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タッチレスを目指す「おサイフケータイ」。ドコモがデジタルキーなど提案
2020年1月22日 17:42
NTTドコモは、おサイフケータイのタッチレス化の実証実験を開始。1月23日、24日に東京ビッグサイト 青海展示場で開催される「DOCOMO Open House 2020」で公開する。
おサイフケータイのタッチレス化は、UWB(Ultra Wide Band)による無線通信と、FeliCa技術を組み合わせ、スマホをかざさずに決済などが行なえるもの。ポケットやかばんにスマートフォンを入れたまま、支払エリアに立つだけで決済完了できるほか、自動車のキーの制御(デジタルキー)やドライブスルーなどで、離れた場所からアプリ操作で支払いするなどの利用を想定している。
デモでは、クルマのデジタルキーの開鍵/施錠を紹介。1m程度離れた場所に立つだけで、クルマのキーが開いてドアを開けられる。また、キーを持ってクルマから離れると、自動的にロックが閉まる。
ドライブスルーでの応用も紹介。クルマを所定の位置に止めると、ユーザーのアプリ上にメニューが立ち上がり、スマホだけで注文・決済が行なえる。
このデモは、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズと協力。特徴はUWBによる測距技術を使っていることで、低消費電力ながら利用者の距離や位置を正確に把握して、機器間の制御が行なえる。今回は1m程度の距離で数秒待つとロックが開くという仕組みにしているが、距離や場所は調整可能という。
いまの自動車のスマートキーでもリモートのロック開閉は行なえる。しかし、その仕組みを悪用して悪意のある第3者がキーを開けられてしまう「リレーアタック」が課題になっているという。UWBは、キーのある位置を正確に把握できるため、リレーアタックへの対策に効果があると自動車業界からの期待は高いという。
今回のデモでは、測距にUWBを使いながら、機器の制御にはBluetoothを使っているが、将来的にはUWBだけで制御まで行なえるようにする。UWBのエコシステム構築に向けた「Firaコンソーシアム」において、制御についての標準化が行なわれており、その成果を反映する予定。
一方、UWBの普及にはスマートフォンなどモバイル端末側の対応も必要。iPhone 11でも一部の地域でUWBが使われるなど徐々に普及が進んでいるほか、また自動車業界の関心が高いことから、ドコモでもUWBとFeliCaを使ったデジタルキーを有力なアプリケーションと位置づけているという。ただし、実用化の時期は「スマホや周辺環境の対応・普及次第」としている。
UWBを使ったデジタルサイネージでの広告クーポン配信も紹介。街のサイネージでQRコードをカメラで読み取って詳しい情報を取得するものに変わり、UWBを活用することで、その場所で立ち止まるだけで情報を取得可能になる。1m程度の距離で数秒停止するとコンテンツが配信されるため、道をすぐに通り過ぎる人の邪魔にはならないという。
また、デジタルキーの新たな提案として、「キーシェア」も紹介。自動車を駐車場に預ける場合などに鍵を置いていく場合があるが、それをFelicaチップとクラウドサービスの連携に置き換える。
例えば、ホテルの駐車場に1週間預ける場合は、マスターキーからFelicaカードやキーホルダーなどに一定期間だけ鍵として使える情報を付与。情報付加されたFelicaカードなどをかざすと、指定された期間や回数だけ自動車のロック開閉や操作などが行なえるようになる。カーシェアなどでの応用なども想定しているという。