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三井住友カード、「次世代カード」導入。カード情報裏面集約やタッチ決済
2020年1月15日 13:22
三井住友カードは、2月3日から同社発行のすべてのクレジットカード(提携カードを除く)を「次世代カード」に切り替える。クレジットカード番号や有効期限、セキュリティコードなどの「カード情報」をすべて裏面に集約し、盗み見等のリスクを低減するほか、Visaカードには「Visaのタッチ決済」を標準で搭載する。
裏面に記載するカード情報は、「Visa クイックリード」を採用(Visaカードの場合)。番号を縦に併記し、わかりやすい表記とした。数字入力時などは、4桁ずつ数字を確認して入力できるほか、セキュリティコードも記される。
デザインも一新。未来を映し出す光と足元を照らす光をイメージした。三井住友カードは、「パルテノン神殿」をモチーフとしたカードデザインを採用していたが、約30年ぶりのデザイン変更となる。
国際ブランドはVisaとMastercardだが、タッチ決済やVisa クイックリードの対応はVisaのみ。Mastercardはコンタクトレスにも対応せず、裏面の番号表記も一般的な横位置のものとなる。
なお、Visaのタッチ決済(NFC Type-A/B)のほか、「iD」による非接触決済にも対応する。
なお、新カードの発行にあわせて、カードの名称や命名ルールも変更。これまでは、「三井住友Visa(Mastercard)クラシックカード」のように、三井住友-[国際ブランド]-[カード種類]-カードの順で表記していたが、三井住友カードVisa(Mastercard)のように三井住友カード-[カード種類]-[国際ブランド]に改められる。カード名称も、「クラシック」がシンプルに三井住友カードになるなど、変更される。
3月からはネット経由でカードを申し込むと、最短5分でカード番号を発行。同番号を使ってすぐにインターネットで買い物できるほか、Apple PayやGoogle Payなどのモバイル決済サービスに登録し、実店舗でも買い物できる。
なお、信用調査期間への照会の時間も必要なため、最短5分で発行できるのは、午前8時~午後8時までとなる見込み。
既存カードの利用者には、有効期限の更新時やカード再製の際に新カードに切り替えを行なう。
また、新規入会者向けのキャンペーンも実施。2月3日から一定期間中に、新規で入会した人を対象に、スタンダードカードの年会費(1,250円)が永年無料となるキャンペーンを展開。さらに、新規入会の上、アプリにログインすると、利用額の20%を還元する「20%還元キャンペーン」(最大12,000円)も実施する。
Visaのタッチ決済体験キャンペーンも3月から実施予定。Visaのタッチ決済を利用すると、最大で1,000円プレゼントする。
アプリも「ウォレット」化。キャッシュレスを一元管理
また、三井住友カードアプリも3月にアップデートし、「Walletアプリ」化する。
従来のアプリのカード履歴確認や支払い口座残高確認、変更手続きなどの機能に加え、キャッシュレス関連のお金の管理を一元化。Visaプリペイドカードやポイントカード、銀行など複数のカード、電子マネーなど、お金の情報をアプリに集約。Moneytreeとの連携し、約2,200の金融機関と口座連携できる。
さらに、利用通知や使いすぎ防止などの機能も導入。クレジットカードの利用明細は、カード利用から数日後に反映されるものが多いが、新機能の「ご利用通知」では、カードを使うたびにアプリにリアルタイムでプッシュ通知。そのため、不正利用もすぐに察知できる。
利用制限も可能で、使わないときにはカードの停止もアプリから簡単に行なえる。「海外利用」「インターネットショッピング」「すべてのカード利用」の区分で利用停止設定が可能。また、上限設定した任意の金額を超えるとプッシュ通知で知らせる「使いすぎ防止アラート」や、銀行口座の残高不足を警告する「口座残高不足アラート」も追加する。これらの機能によりキャッシュレスの「安心」をアピールしていく。
また、3月からはクレジットカードとVisaプリペイドカードの長所を融合した新決済サービス「かぞくのおさいふ」を開始する。同サービスについては別記事で紹介する。
30年ぶりのデザイン刷新。タッチや裏面集約が世界的潮流
三井住友カードの大西幸彦社長は、「現在の“パルテノン”に変えて、30年ぶりに新しいカードデザインに変更する。デザインを変えただけでなく新コンセプトの次世代カード」と紹介し、カード情報の裏面集約などの特徴を紹介。キャッシュレスの浸透にあわせ、日常でのカード利用を推進していく。
裏面への情報集約は、日本での事例は少ないものの米国やシンガポールでは一般的になってきており、「世界的潮流」という。さらにVisaのクイックリードに対応したことで、他人からは見えにくく、カード番号を入力するときには4桁づつを確認しながら入力できるといったメリットがあるとする。
Visaのタッチ決済対応も、「世界的な潮流で利用率が50%を超える国もある」と説明。日本での利用は少ないものの、東京五輪やインバウンドでの利用が見込まれることから、積極的に展開。同社が加盟店向けに推進している「Square」でもVisaのタッチ決済対応を強化していく。
なお、非接触決済ではVisaのタッチ決済(NFC Type-A/B)のほか、Felicaによる「iD」展開しており、新カードでは双方に対応可能(Visaカードの場合)。大西社長は「iDも多くの利用者がおり、引き続きサービス提供していく。一方、グローバルはTypeA/Bで、インバウンドにも必要。ここはしっかりやっていく」とした。
新カードや新デザインは、三井住友カードのプロパーカード(自社カード)の展開だが、Visaのタッチ決済は、提携カードも含めて推進する。ただし、Suica対応のカードとVisaのタッチ決済の併存は、技術的には対応可能なものの実環境での動作などで検証等が必要で、SuicaとVisaのタッチ決済の双方に対応したカード発行には時間がかかりそうとのこと。