ニュース

顔認証決済ファミレスがオープン。楽天とロイホがチェックレスを目指す

GATHERING TABLE PANTRY 二子玉川

「ロイヤルホスト」や「てんや」などを運営するロイヤルホールディングスは、12月24日にオープンする完全キャッシュレス店舗「GATHERING TABLE PANTRY 二子玉川」の内覧会を実施。「楽天ペイ(アプリ決済)」による顔認証決済の実証実験や、火と油を使用しない調理システムについて説明した。

店舗の主な特徴は、完全キャッシュレス決済、冷凍食品やオーガニック野菜などの食材の2つ。また10分前など直前に席の予約ができるアプリ「Toreta now」を導入している。

完全キャッシュレス決済については、既存店の店長業務の負荷軽減等、課題解決を目的に、2017年11月より研究開発店舗「GATHERING TABLE PANTRY 馬喰町」において導入。二子玉川ではさらに、顔認証決済の実証実験を実施する。なお顔認証決済は、一般客は利用できない。

馬喰町と二子玉川の決済方法の違い
左上が客が使用する端末、右下が店舗用の端末、右上の縦のものがキッチン用の端末

一般客の来店から注文、決済までの流れは、まず入店時に渡されるタブレットでオーダー。するとキッチン用の端末にオーダー内容が表示され、担当者は調理を開始する。

タブレットでオーダー

食事が終わったらタブレットで決済方法を選択。この際、コード決済の場合はテーブル決済、それ以外の場合は店舗のレジでの決済となる。

タブレットで決済方法を選択
コード決済の場合はスマホに表示したアプリのQRコードをタブレットに読み込ませる
コード決済以外の場合はレジカウンターで決済

コード決済では、客が各自決済をしてそのまま退店することになるのだが、店員全員が着用しているスマートウォッチに決済完了の通知が配信される。これにより、客が帰ることを店員が認識し、客に対してお礼の挨拶ができるシステムとなっている。

顔認証決済については、別途端末を用意。実証実験の対象ユーザー(楽天社員等関係者)は顔情報登録用アプリで事前登録のうえ来店。食事後に専用の端末で顔認証決済を選択し、顔を読み込ませることで決済が完了する。決済の履歴は楽天ペイアプリで確認できる。

店舗での顔認証決済の流れ

顔認証決済のメリットとして、財布もスマホも出すことなく会計ができる点を挙げる。今後については、ETCやAmazon Goを例に挙げ、決済の作業すら行なわない「チェックレス」という新たな体験を目指したいと説明した。

また、キャッシュレス決済を推進するため、店内に楽天Edyのチャージ機を設置。現金は一切対応しないため、キャッシュレス決済用のカードやアプリを持ち合わせていない人には、楽天Edyのカードを配布するという。

楽天Edyチャージ機

食材はロイヤルHDの冷凍食品と楽天系オーガニック野菜

GATHERING TABLE PANTRY 二子玉川で展開する食材のコンセプトは「Fresh&Frozen」。Freshの面では、楽天が運営する農業サービス「Rakuten Ragri」と契約し、オーガニック野菜を使った料理を提供する。また生ハムは、24カ月熟成のパルマハムを切り立てで提供する。

Rakuten Ragriのオーガニック野菜
ベルケル社のハムスライサーを使用
内覧会で提供されたサラダと生ハム

Frozenについては、レストラン品質のフローズンミールとする「ロイヤルデリ」を本格展開。セントラルキッチン商品の特徴である、調理時間が短いという特徴を活かし、火を使わないキッチンにて調理し、提供する。

またロイヤルデリ本格展開により、内食市場へ参入。従来よりセントラルキッチン商品の販売を行なっていたが、9月にロイヤルデリとして統一ブランドとロゴを決定し、二子玉川では全25品目を販売する。

ロゴをカタカナとした理由は、将来的なアジア等への出店・販売を見据えてのこと。日本製品はアジアを中心に評価が高く、カタカナによりメイド・イン・ジャパンであることを表現しているという。

ロイヤルデリは、オンラインショップや馬喰町を中心に他店でも販売するが、現在全商品を取り揃えているのは二子玉川のみ。なお、ロイヤルデリはテイクアウト専用で、店内飲食の場合はトッピングが異なるなど、ひと手間を加えた商品が提供される。またテイクアウト用に、Rakuten Ragriのサラダパックも販売する。

Rakuten Ragriのサラダパック

そのほか、予約/顧客台帳サービス「TORETA」とPOS連携するほか、予約アプリ「Toreta now」と連携。ユーザーはToreta nowを使って、10分後の席の予約などができる。トレタの担当者によると、ファミリーレストランは予約をして利用することが少ない業態ということもあり、Toreta nowとマッチするのかどうかを探りながら最適な方法を検討していくとともに、レストラン予約の新しい可能性を見出していきたいとのことだった。

Toreta now

所在地は、東京都世田谷区玉川2-2-1二子玉川ライズ バーズモールA103。営業時間は2020年1月上旬まで15時から23時。ランチは1月上旬より開始し、以降の営業時間は11時30分から23時。座席数は40席。