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IQOSは健康増進法改正でどうなる? フィリップモリスの取り組み

IQOSシリーズ

加熱式たばこ「IQOS」を展開するフィリップ モリス ジャパン(PMJ)は、2020年4月1日に全面施行される健康増進法の一部を改正する法律に関する説明会を実施。フィリップ モリス ジャパンのIQOSを通じた取り組みを説明した。

改正健康増進法は、望まない受動喫煙の防止を図り、原則屋内禁煙とする法律。飲食店において喫煙を可能とする場合は、喫煙室を設けることを求められる。ただし、資本金5,000万以下、客席面積100m2以下の小規模点は喫煙可としている。

喫煙可とする店舗について、厚労省の改正健康増進法と東京都条例では異なっており、東京都条例では「既存店で従業員なし」と、改正健康増進法よりも厳しい条件となる。東京都条例も施行日は2020年4月1日。

また、改正健康増進法、東京都条例ともに、喫煙について紙巻きたばこと加熱式たばこを区別。紙巻きたばこの喫煙も可能な「喫煙専用室」では飲食不可、「加熱式たばこ専用室」では飲食可となる。

これに対して現状、飲食店はどのような対応を行なっているのかについて、居酒屋とカフェの比較によって説明。カフェでは23%が完全禁煙、68%が分煙としているのに対し、居酒屋では90%が全席喫煙可としているという。

改正健康増進法施行に向けて、店舗側はどのような対応をすれば良いかを、1フロアの店舗の場合と、2フロア以上の店舗の場合に分けて紹介。

1フロアの場合は、喫煙専用室もしくは加熱式たばこ専用室を設置するか、全面禁煙にするという対応のほか、加熱式たばこ専用室の内部に喫煙専用室を作るという流れもあると述べた。

2フロア以上の場合は、1階は禁煙、2階は加熱式たばこのみ喫煙可とし、加えて喫煙専用室を設けるという方法もあることを解説。ただしこの場合、喫煙可能なフロアへの未成年従業員の入室は禁止であることを付け加えた。例えば、カラオケボックスでは現状、未成年が従業員として働いているケースが多いため、このような対策も1つの選択肢と成り得る。

喫煙室設置における店舗側の課題として、「昨日までは吸えたのに、今日から急にシステムが変わった」といった来店客の認知があるとする。この課題に対してPMJは「IQOSコンシェルジュサービス」を実施し、認知拡大を進めていると話す。

同サービスでは、店舗にスタッフが常駐し、環境変化の告知を行なうほか、IQOSのサービスメニューを行なう。具体的には、ヒートスティックの無料お試し、デバイスレンタル、クリーニングサービス、デバイス充電サービス、割引券等の提供といった特典オファーを実施する。

サービスの目的は店舗の課題解決のほか、成人喫煙者、加熱式たばこユーザー、非喫煙者のすべてにとって満足度の高い環境を整備することを挙げる。加熱式たばこユーザーに対してはブランド満足度アップ、紙巻きたばこユーザーに対しては切り替えのきっかけを提供。また非喫煙者への配慮にもつなげたいと述べた。

そのほかPMJでは、IQOSデータベースを活用した送客プログラムを展開する。

なおIQOSは、紙巻きたばこユーザーが加熱式に切り替えることによる、受動喫煙リスク低減を図る製品であることを強調。非喫煙者や禁煙を達成した人がIQOSを吸い始めることを求めておらず、データからもそういったユーザーはほとんどいないことを説明した。

PMJは今後も引き続き、成人喫煙者・加熱式たばこユーザー・非喫煙者が共存できる空間を構築し、顧客満足度アップを図るとした。

取り組みについて説明したフィリップ モリス ジャパン オンプレミス・タッチポイント マネジャー 高橋 宏氏