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スマート社会に向けたパナソニックのロボティクス技術。コンビニ自動化も
2019年12月19日 08:00
パナソニックは、「技術10年ビジョン」に基づき、IoT/ロボティクス領域と、エネルギー領域の研究開発を強化しており、その成果を、開催中の2019国際ロボット展で展示している。
IoT/ロボティクス領域では、人工知能、センシング、UI/UX分野、エネルギー領域では蓄電、水素に注力。これらの成果を、家電やモビリティを始め、建設現場の労働環境や物流改善などにも役立てていく。
同社はこれらのビジョンを実現するため、「ロボティクスHUB」を設立。社内外のロボティクス技術を取りまとめ、モジュール化・プラットフォーム化することで技術の利用促進を図る。
展示中のロボットおよび技術
病院で薬などの搬送をするロボット「HOSPI」に液晶ディスプレイを搭載した「HOSPI Signage」。HOSPIは、人混みの中でも安全に走行する技術を備えた自立搬送ロボット。HOSPI Signageは、公共エリアを走行するサイネージロボットとして開発されたもので、静止型のサイネージに比べて3倍の効果があるという。
パナソニックとWHILLが協同開発している次世代パーソナルモビリティ。クラウドとロボットの連携で安全・実用的な移動ソリューションを提供する。空港などの大型施設向けとされ、クラウド管理されたモビリティが目的地まで自律走行する。複数台が連なって走行する追従走行機能や、走行中に歩行者が飛び出してきた場合などの自動停止機能を搭載。
自動停止機能は、前方方向270度、10mの距離までを監視しており、歩行者の動きから危険を察知することで動作する。安全機能が二重化されており、一つの制御系が機能しなくなっても正常に動作する冗長性を備える。同機能は世界で初めてパーソナルケアロボット向けとして安全規格「IEC62061/SIL2」に適合している。
「Imaging LiDAR」は、一つのカメラで距離・赤外(NIR)、可視画像を取得できるのが特徴のセンサーで、次世代モビリティなどのセンサーとして利用される。一般的なLiDARが複数のカメラによって取得する情報を、一つのカメラで取得するため誤差が生じない。また、同社の従来モデルよりも大幅に小型化された。
「バッテリマネジメントプラットフォーム」は、電池の温度、電流電圧をモニタして、バッテリの劣化を計測し、バッテリが最適に利用されるよう自動化する。この機能を搭載することで最大20%程度バッテリの運用効率を向上できる。
コンビニ業務をロボットで自動化する競技「フューチャーコンビニエンスストアチャレンジ」に、パナソニック、奈良先端科学技術大学院大学、立命館大学らのチームも参加する。セブンイレブンが協賛をする大会で、期限切れ商品廃棄、商品陳列、トイレ清掃、接客などのタスクを、ロボットでどこまで実現できるかを競う。競技は19日から始まる。