ニュース

“ハンコ押印ロボット”が目指すオフィスの自動化。2019国際ロボット展

デンソーウェーブと日立キャピタル、日立システムズの3社による、押印ができるロボティクスソリューション「RPA&COBOTTA オフィス向け自動化支援」が、現在開催中の2019国際ロボット展に展示されている。

同ソリューションは、契約書をめくってハンコを押す工程をロボットが自動で行なうことで話題となった。実際にはハンコを押すだけのロボットではなく、RPAとロボットを組み合わせ、オフィスのさまざまな業務を自動化するためのものだ。

しかし、オフィス自動化を進めるなかで、いきなりロボットを提供しても使いこなせない。そこで同社が行なった調査で、ハンコの押印を自動化するニーズが浮かび上がり、実用的でわかりやすい例としてハンコを押すロボットが作られた。

使われているロボットは汎用的な人協同ロボット「COBOTTA」。アームを実際に手で動かして動作を覚えさせることができるなど、専門知識が無くても作業を教え込むことができる。これを2台使っている。

捺印作業にはまず、あらかじめ対象の紙を覚えせ、押印箇所と対応する印鑑を登録する必要がある。登録してある場所に押印するため、突然新しい用紙を置いても正常に動作しない。押印にかかる時間は1個あたり1分ほど。

ハンコと朱肉。残念ながらハンコを押すデモは見ることができなかった

同時に、書面の電子化も行なう。押印前と押印後に撮影を行ない、間違いなく押印されたことを確認できるようにしている。ページをめくることができるので、袋とじ書面にも対応する。オフィスで一般的に使われている用紙であれば大抵は対応できるという。

ロボットアームで紙を吸い上げてページをめくる
スキャン用のカメラ搭載部

将来的に電子印鑑化されて、押印機能が必要なくなっても別の用途に使えるのが強み。例えばシールを貼る作業など、ニーズに合わせて機能追加を検討するという。

ペーパーレスは過渡期であり、自動化可能なところはロボットにまかせ、人間は人間にしかできない作業をする環境作りをするためのソリューションだ。

COBOTTAを使った大量の薬剤を自動的に調合するソリューションも展示