ニュース
大阪駅西側地区で大規模複合開発。新改札口、大型複合ビルなど
2019年12月12日 07:30
JR西日本は11日、大阪駅西側地区の開発計画を明らかにした。大阪駅周辺では、東海道線支線地下化、新駅設置事業、うめきた2期地区開発計画など、大阪駅西側を中心とした開発が進められている。大阪駅の混雑緩和などで西側地区へのアクセス性と回遊性を高め、地区全体の価値向上を狙う。
「新改札口整備」「高架下開発」「新駅ビル開発」の3つを柱とする開発計画。
新改札口整備では、各ホームにアクセス可能な新改札口を西側高架下に整備する。大阪環状線ホームは西側へ延長、ホーム上設備を高架下に移転集約する。これによりスペースを広げ、ホーム上の混雑緩和・安全性向上を図る。また、新改札口と各ホームを結ぶエレベーター・エスカレーターを整備して、新たなバリアフリー経路とする。2024年夏に新改札口共用開始予定。
高架下開発では、新改札周辺に商業ゾーンを展開。利便性を向上するとともに、バスターミナルも新設し、交通結節機能の強化を図る。同エリアの延床面積は約7,000m2、店舗面積は約3,000m2。2027年春までに順次高架下商業ゾーン、バスターミナルが開業予定。
新駅ビル開発では、新改札口に隣接した駅ビルを整備。新たなビジネス活動拠点として、中層部に周辺オフィスワーカーの多様なニーズに応える商業ゾーンを展開。低層部は広場空間を設け、「うめきた2期地区開発」と連携しながら周辺地区の回遊性向上を図る。
新駅ビルの延床面積は約59,000m2、オフィス賃貸面積は約23,000m2。地上23階、地下1階で、高さは約120m。2024年秋開業予定。
新改札口整備にともなって、既存商業施設(梅三小路、アルビアウトドア)は閉館する。
大阪駅直結の大型複合ビル
また、中断されていた、旧大阪中央郵便局敷地を含む大阪駅西地区の開発計画「梅田3丁目計画(仮称)」が再始動する。JR大阪駅新改札口などと直結する大型ビルで、オフィス、商業、劇場、400室のホテルの機能を有し、新たな付加価値を提供するという。2024年3月竣工予定で、2025年の大阪・関西万博に向けて高まる需要に対応する。
所在地は、大阪府大阪市北区梅田三丁目2番4号他。敷地面積約12,920m2、延床面積227,000m2。地上39階、地下2階、塔屋2階。高さは約188m。
中層階(11階から27階)は、基準階貸室面積が約4,000m2となる西日本最大級のオフィス。オフィスワーカー向けにカフェテリアや屋上リフレッシュガーデン、ラウンジなども提供する。
商業施設は地下1階から地上6階。商業施設中心部は4層吹き抜けのアトリウムとなり、人々がくつろぎ、交流できる空間とするほか、旧大阪中央郵便局舎の歴史やJR大阪駅周辺の街の記憶を継承するため、アトリウムに面して旧局舎の一部を保存・移設している。
劇場は地上5階から8階で、座席数は1,200席。国内外の芸術性の高い演目や、新たな関西文化の発信と創出に寄与する文化拠点にするという。劇場運営はMBSメディアホールディングスが行なう。
ホテルは7階および8階。客室数は約400室。ラグジュアリーなホテルにふさわしい上質さと広さを備え、大阪の新たなホテルシーンを創出する。低層階にはバンケットフロアを設け、劇場との一体的な利用や、さまざまなビジネスイベントでの利用を見込む。
防災機能も備え、非常時には地下1階と、地上1階の商業空間内のオープンスペースを帰宅困難者向けに開放。電気室など重要設備を建物上部に配置することで、水害時でも機能を維持できるほか、72時間運転可能な非常用発電機も設置される。