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「住友不動産秋葉原ファーストビル」竣工。石丸・ヤマギワ跡地

住友不動産により開発が進められていた、「住友不動産秋葉原ファーストビル」が竣工した。オフィス棟と商業棟からなり、オフィス棟敷地は「ヤマギワリビナ本館」跡地、道路を挟んだ商業棟敷地は「石丸電気本館」跡地。

住友不動産秋葉原ファーストビル 手前が商業棟、奥がオフィス棟

秋葉原ファーストビルの所在地は東京都千代田区外神田1丁目9-4他と、同外神田1丁目24-1他の2敷地。外堀通りと昌平橋通りとの結節点にあたり、秋葉原駅と御茶ノ水駅ならびに淡路町駅とのほぼ中間に位置する。最寄りのJR秋葉原駅からは徒歩4分。

周辺図

敷地面積は、オフィス棟が2,058.45m2、商業棟が1,222.75m2。延床面積は、オフィス棟が26,166m2、商業棟が963m2

2物件に跨るこの物件の計画時には、周辺敷地の歩道が整備されていない点、身近な緑が不足している点、秋葉原の商業空間への来街者が憩える広場が不足している点等に着目。敷地内にまとまった広さの公開空地と広場を整備し、商業棟の容積をオフィス棟に移すことで、大規模なオフィスビルと商業棟による賑わいの創出など、周辺市街地の環境改善への寄与を目指したという。

一団地認定制度を活用し、オフィス棟を地上23階、高さ125mとし、商業棟は建物高さを低く抑えることで周辺への圧迫感を軽減。採光にも配慮した広場を整備した。

施設構成要素は、両棟の足元空間に店舗用途を配し、3階から23階の高層部にオフィスを配置。基準階は約830m2の広さの整形無柱空間とし、様々なオフィススタイルに適応した自由なレイアウトができるという。

オフィス棟には免震構造を採用。併せて災害時の無停電対応や地震時エレベーター自動仮復旧など、最新のBCP対策を施し、有事の際も機能維持する。また、店舗棟北側に隣接する講武稲荷神社との空間的つながりを考慮した設計で、既存の活力ある街並みとの連携を図っている。

また開発以前の物件周辺での課題だった、災害時の一時的滞留可能スペースの不足や、歩道の未整備による車両と歩行者の接触事故等の解決のため、まとまった広さの公開空地等を整備。屋外の公開空地には「FreeWi-Fi」を設置し、訪日外国人含む来街者が気軽にWi-Fiを利用し災害時にも有用な情報収集や通信手段の確保ができるとしている。

災害時の一時滞留場所にもなるオープンスペースを2棟合わせ約670m2、延焼防止に資する歩道状空地、広場状空地も整備。オフィス棟エントランスホールは災害時に帰宅困難者受入可能とし、防災備蓄倉庫やマンホールトイレも整備。ピロティや歩道状空地は、周辺商業施設との界隈性を持たせ歩行空間の回遊性を向上、歩行者ネットワークの形成を進め、賑わいを創出するという。