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'20年春のスギ花粉、九州から東海は「非常に少ない」

日本気象協会は、全国・都道府県別の2020年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第2報)を発表した。2月上旬に九州や四国、東海、関東の一部から花粉シーズンがスタート。スギ花粉の飛散開始は九州から東北まで例年並みとしている。

2020年1月は全国的に気温が平年並みか高くなる予想。一方で、2月は西日本、東日本、北日本ともに、ほぼ平年並みの気温になるという。冬らしい寒さにより休眠打破が順調に行なわれて、スギ花粉の飛散開始は各地で例年並みとなる見通しとしている。

スギ花粉は、飛散開始と認められる前からわずかな量が飛び始めるという。2月上旬に飛散開始が予測される地域では、1月のうちから花粉対策を始めることを勧めている。

2020年シーズンの予測飛散量は、九州から関東甲信にかけて広い範囲で例年より少ない見込みとしている。特に九州は非常に少なく、中国や四国でも非常に少ない所があるという。東北は例年並みか少なめ、北海道はやや多い予想。

例年比 花粉飛散量

前シーズン比で見ると、九州から東海は、広い範囲で非常に少ない見込み。関東甲信、北陸も少なくなる予想。東北は大体前シーズン並み。北海道と青森では、前シーズンの飛散量が例年より非常に少なかったため、非常に多くなる予想となっている。

前シーズン比 花粉飛散量
各地域の花粉飛散傾向

花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響し、気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるという。

花粉飛散量の予測は、気象データに加え、前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データ、および全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽調査の結果などをふまえて行なわれる。

花芽調査では、スギやヒノキなどの植物に詳しい「植物のプロ」や、花粉の研究に長年携わっている学識者の協力を得ながら、その土地の気候や地形を知る「気象のプロ」による定点観測を重視。今年の花芽調査の結果、京都市、滋賀県米原市、東京都青梅市では花芽の数が例年より少ない結果が出たという。