ニュース

自動搬送ロボットでECの物流を効率化。佐川蓮田EC

佐川グローバルロジスティクスは、12月に開設する、「蓮田ECプラットフォーム」内に設置された「ロボティックスECプラットフォーム」を報道関係者に公開した。従来は人が歩いて行なっていた作業をロボットが行なうことで、作業を効率化しつつ、サービス向上を狙う。

蓮田ECプラットフォームは、2018年2月に埼玉県蓮田市で竣工した事業所。敷地面積は7,112坪、鉄骨造の地上3階建て。主に中小のEC事業者むけ物流サービスを提供する。付近には佐川急便の久喜営業所が3カ所あり、スペース、人員を流動的に活用して対応力を強化している。

ロボティックスECプラットフォームは、中国のGeek+が開発した自動搬送ロボット「EVE500」を使用したシステムで、商品を入れた棚を作業場まで自動搬送できる。導入されるロボットは32台で、棚は574台。ロボットは棚を下側から持ち上げ、作業端末からの指令により最適なルートで移動する。

Geek+の自動搬送ロボット「EVE500」
下側から棚を持ち上げて運ぶ
倉庫には574台の棚が設置されている
EVE500が棚を運ぶ様子

従来は倉庫内で人間が商品の入出荷を行なう場合、広い倉庫を人間が歩いて荷物の出し入れをしていた。本システムでは人間が作業場で待機していればロボットが必要な棚を運び、作業が終わると元の位置に戻してくれるため、初心者でも作業がしやすい。

入荷作業エリア。必要な棚を入力すると自動的に棚が移動してくる
端末の画面で商品を入れる位置を指定してから人間が実際に作業する
ピッキングエリアでは移動してきた棚から出庫用の箱に商品を移動する。
商品を入れる箱の蓋は自動的に開くので人間は指示されたとおりに商品を納めるだけ
足下に赤外線センサーがあり、商品を入れ終わったら足を踏み出せば蓋が自動的に閉じる

また、従来は契約事業者ごとに部屋を分け、別々に商品を管理しており、固定費や導入費用が高額だった。本システムでは広い倉庫を複数の契約事業者でシェアする形になるため、固定費が安く、商品の在庫数に応じた従量課金制になっている。これによりスタートアップなど初期費用を抑えたい企業のニーズに応える。

同社ではGeek+のロボットを採用した理由について、国内での使用実績が多かったことを理由にあげた。日本の物流は特殊で、非常に高いクオリティが求められることから、海外での実績よりも国内での実績を重視したという。

同社は、ロボティックスECプラットフォームの投入で人員を半分程度にまで減らせるとし、サービス面では即日配送や、新たな販売チャネルの拡大、海外への集配サービス拡充などのニーズに応えるとしている。今後は、ロボティックス技術により物流システムそのものを改革する方針で、更なるロボットシステムの導入も視野に入れている。