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メルペイ、還元事業対象店での決済回数1.6倍に。コスメECで支持

メルペイ執行役員 金高恩氏

メルペイは11月20日、加盟店向けのイベントを実施し、消費増税前後のキャッシュレス利用動向に関する解説や、メルペイ加盟店による消費増税前後の変化について発表した。

総務省が8日に発表した9月の家計調査では、1世帯あたりの消費支出が前年同月比で9.5%増加。家電などの大型耐久財やトイレットペーパーなどの日用品の消費が伸び、大型店舗では、品目によっては駆け込み消費が拡大。メルペイ加盟店でもドラッグストア等の利用が拡大したという。

キャッシュレス・ポイント還元事業の対象となる、中小規模加盟店では駆け込み消費の傾向が弱かったとしている。メルペイ執行役員の金高恩氏は、実施した加盟店へのアンケート調査では、加盟店の7割強が「駆け込み消費は無かった」、1割弱が「キャッシュレス決済利用者は駆け込み消費が無かった」と回答したと説明した。

増税後の10月以降については、消費の落ち込みが無かったという回答が5割強、うち1割はキャッシュレス決済利用者においては落ち込みがなかったと回答したという。一方で、消費税の仕組みの複雑さからか、4割強は消費が弱い傾向とした。

キャッシュレス比率では、加盟店の約6割が増税後に上昇。キャッシュレス決済の利用金額ごとの比率は、500円未満が20.1%、500円以上1,000円未満が17.8%、1,000円以上3,000円未満が26.7%と、3,000円未満の少額決済が6割強としている。

また、ポイント還元事業対象の店舗を対象に、9月と10月のメルペイ利用を比較すると、平均決済金額・平均決算回数ともに約1.6倍に上昇。キャシュレス・ポイント還元事業の利用促進効果により、利用が伸びたとした。

コスメECではコンビニ払いからメルペイの流れ

イベントでは、キャッシュレス・消費者還元事業対象の店舗を営む3名が登壇し、還元事業の効果とメルペイの利用状況について話した。登壇したのは美容室「VISION aoyama」の江草氏、ペット関連のショップ「Princess MINIMO」の西川氏、ライブ&バー「茶茶茶」の吉村氏。

VISION aoyamaのメインの客層は20代から30代の女性。江草氏自身がメルカリユーザーであることから、メルペイを導入。もともと利用客にもメルカリユーザーが多く、そのままメルペイを利用している印象があったという。一方で、比較的年齢層が高い人が訪れるというPrincess MINIMOでは、現金とクレジットカードがメインとなっているが、クレジットカードを利用していた層が徐々にコード決済へと移っている流れがあるとした。また、利用客の要望がきっかけでメルペイを導入したという茶茶茶では、メルカリの売上金を使えることからか、メルペイユーザーは決済単価が高い人が多いという。

左からVISION aoyamaの江草氏、Princess MINIMOの西川氏、茶茶茶の吉村氏

また、ECサイトでの導入例として、コスメ通販サイト「NOIN」が紹介された。ノイン取締役の千葉久義COOが登壇。NOINのメインユーザーは18歳から34歳の若い女性で、メルカリとユーザー層が一致しているほか、メルカリでもコスメ関連の取引が多く行なわれていることから、メルペイとは非常に親和性が高いとした。

ノイン取締役 千葉久義COO

メルペイ導入前のNOINの決済手段は、GMO後払い、コンビニ払い、キャリア決済、クレジットカード、Apple Pay。10代のユーザーの層も厚く、クレジットカード利用よりも、後払いとコンビニ決済の利用率が高く、合わせて6割以上を占めていたという。

メルペイ導入前の決済比率

導入から2カ月で、メルペイ利用率がキャリア決済とほぼ同等となり、後払いを利用していたユーザーがメルペイに移行しているという。また、新規ユーザーのメルペイ利用が増加。潜在のユーザーが購入するきっかけにもなっているのではないかとした。また、メルペイユーザーの決済平均金額が最も高く、カートあたりの決済金額が、他の決済手段よりも20%高いと述べた。

メルペイ導入後の決済比率

今後、メルペイに期待したいこととして千葉氏が述べた、「メルカリが持っている配送情報をシームレスにECサイト側に渡して欲しい」という意見に対し、メルペイ オンラインセールスマネージャーの堂山氏は、メルカリが持っている配送情報を活かすほか、会員登録などの手間を省くことを目的に、メルカリのアカウントを使ったソーシャルログインによる連携も検討しているとした。