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小田急のMaaS「EMot」開始。電子チケットや飲食サブスクなど
2019年10月30日 17:20
小田急電鉄は、オープンな共通データ基盤「MaaS Japan」を活用したMaaSアプリ「EMot(エモット)」を10月30日より提供開始し、同日からアプリの機能についての実証実験を開始した。
EMotはiOS版を先行で提供開始。Android版は順次公開としている。利用料は無料(電子チケットを購入する際には別料金が発生)。基本機能は、複合経路検索と、電子チケットの発行。
鉄道やバス、タクシーやシェアサイクル等を組み合わせた経路検索が可能で、検索結果からは、連携しているアプリやサイトに遷移してモビリティの予約・決済ができる。また、保有している定期券情報や購入した電子チケットが考慮された検索結果が表示される。
電子チケットでは、フリーパスや企画券、生活サービス施設などのチケットの購入や、ショッピング等に応じて、無料でモビリティが利用できる特典チケットの配布などを行なう。フリーパス等と連携した優待施設情報の取得もできる。
実証実験は、箱根エリアの「観光型MaaS」、新百合ヶ丘・新宿エリアの「郊外型MaaS」「MaaS×生活サービス」を予定していたが、箱根エリアは、台風19号の影響による交通機関の状況を踏まえ実験開始時期を延期。「郊外型MaaS」「MaaS×生活サービス」を先行実施する。
郊外型MaaSの実験エリアは、新百合ヶ丘エリア。期間は10月30日から2020年3月10日まで。期間中、商業施設「新百合ヶ丘エルミロード」にて2,500円(税込)以上購入した人を対象に、新百合ヶ丘駅を発着する小田急バスの往復無料チケットを発行する。
MaaS×生活サービスの実験エリアは、新百合ヶ丘・新宿エリア。期間は10月30日から2020年3月29日。新宿駅、新百合ヶ丘駅構内の「おだむすび」「箱根そば」「HOKUO」のいずれかの店舗で1日1回利用できる定額制チケットを販売する。10日チケット(3,500円)と30日チケット(7,800円)の2種類展開。有効期限は購入日から30日間。
延期される箱根エリアの観光型MaaS実験では、箱根エリアのさまざまな交通サービスに自由に乗り降りでき、箱根周囲の温泉や観光施設などで優待が受けられる「デジタル箱根フリーパス」の販売を予定している。開催時期は決定次第EMotのホームページで発表する。
連携する遠州鉄道が発行する電子チケットも販売する。静岡県西部エリアにおいて、浜松市内を中心に運行する遠鉄バスや遠鉄電車などの交通サービスに何度でも乗り降りでき、観光施設などの優待特典が付いた「遠鉄ぶらりきっぷ」や「HAMANAKO RAIL PASS」など6つの企画乗車券を販売する。