ニュース

ヤフー、PayPayモールで「100億円キャンペーン」。PayPayフリマも20%還元

ヤフーは、スマホ決済サービス「PayPay」の名前を冠したフリマアプリ「PayPayフリマ」とショッピングモール「PayPayモール」において、11月1日からPayPay残高を最大20%還元するキャンペーンを実施。リアル店舗だけでなく、「オンラインでもPayPay」を訴求し、ECでのPayPay利用を加速し、コマース事業の拡大を目指す。

PayPayモールは、人気の家電量販店や、ファッションブランドショップが参加する新しい「プレミアムショッピングモール」として展開。11月1日から2020年1月31日まで実施する「PayPayモールで100億円あげちゃうキャンペーン」では、通常の付与特典に9%のPayPayボーナスライトを上乗せ、合計最大20%相当、総額100億円相当を付与する。

PayPayモール

対象となる決済手段はPayPay残高とYahoo! JAPANカードのみ。ストアポイント(Tポイント)が1%、同キャンペーンのPayPayボーナスライトが9%、ソフトバンクユーザーは5%、Yahoo!プレミアム会員は4%、PayPay残高払いは1%(PayPayボーナスライト)もしくはヤフーカードで1%(Tポイント)で、合計20%。今回のキャンペーンで上乗せする「PayPayボーナスライト」(9%分)の付与上限は1万円/月。付与日は注文日の翌週の3週間経過後の木曜日。

PayPayモールで100億円キャンペーン

PayPayフリマは10月7日からスタートしたフリマアプリ。2週間で40万ダウンロードを突破。28日からAndrodアプリの提供も開始した。11月1日から12月25日まで実施する「PayPayフリマの購入で最大20%戻ってくるキャンペーン」では、PayPay残高で支払った場合、最大20%相当が付与される(PayPayボーナス1%+PayPayボーナスライト19%)。

PayPayフリマ

PayPay残高払いでは10%、プレミアム会員はさらに5%、ソフトバンクのスマホユーザーはさらに5%で合計20%となる。カード払いの場合は0%で、プレミアム会員は5%、ソフトバンクスマホユーザーは合計10%。キャンペーンにおけるPayPayボーナスライト付与条件は1,000円/回、3,000円相当/月。

また、テレビCMに出演する宮川大輔さんとゆりやんレトリィバァさんも登場。PayPayモールでの購入やフリマ出品を実演し、新サービスとキャンペーンをアピールした。

なぜいま「PayPay」のモール&フリマ?。'20年代前半に国内EC No.1

ヤフーは広告・メディアと並ぶ事業の柱としてコマースを強化している。今回のPayPayフリマとモールの立ち上げもその一環となる。ヤフーの小澤隆生 最高執行責任者(COO)は、「いままでは実店舗が中心だったが、ネット、EコマースでもPayPayを使えるようにしていく」と切り出し、新サービスやキャンペーンの取り組みを説明した。

ヤフー 小澤隆生 COO
PayPayオンライン対応を強化

PayPayフリマは、ヤフオク!と異なり、固定価格で、業者は出品できず、個人だけが取引できるフリマアプリ。ヤフーのメルカリ対抗ともいえるサービスで、「オークションはヤフオク! もう少し気軽に売りたい人にPayPayフリマ。買うとPayPayが貯まり、PayPayでまた購入できる。PayPayがぐるぐる回る仕組み」と位置づける。

PayPayフリマとヤフオク!の関係。「A社はメルカリ」と小澤氏

また、落札者側からは送料無料で、価格交渉が簡単という点も特徴とする。今後CMやキャンペーンなどで利用者を拡大し、ヤフオク!とあわせて「圧倒的ナンバーワン」を目指すという。

PayPayモールは、「ヤフーショッピングというモールの中に、百貨店を作るイメージ」とし、安心・安全のプレミアムモールと位置づける。大手の厳選された店舗が約600店舗入っており、家電量販店やファッションなどが展開。

なお、ZOZOTOWNについては、12月中旬のスタートを予定。現在はZOZOが各ブランドを周り、出店の説明や確認を行なっているが、ブランドからは好評を得ているとのこと。

PayPayは、昨年末の100億円キャンペーンを展開した。小澤氏は「あの熱狂をオフラインだけでなく、オンライン・Eコマースでもやりたくて100億円用意した。PayPayモールでどーんと提供したい。お店のレジ行列もできないのでオンラインのほうが盛り上がるのでは」とし、11月からの盛り上がりに期待を寄せた。なお、100億円の費用負担の内訳は非開示。

100億円の熱狂再び

「Yahoo! ショッピング」と「PayPayモール」の棲み分けについては、「ヤフーの基本的な考え方は、リアルで想起される『売り場』をオンラインでも再現するということ。百貨店とアウトレット、ドラッグストアでは、利用者も違うし、『服は百貨店で買いたい』といった人、あるいは『フリーマーケットで買いたい』という考え方もある。いままでヤフーに無かった『百貨店』、オークションだけでなく『フリマ』と、選択肢をオンラインで用意した。Yahoo! ショッピングは『商品が多すぎてわかりにくい』という声もある、一方『それがよい』という意見もある。なので、ひとつにまとめるのではなく、売り場を複数作り、選択肢を提供していく」と説明した。

また、「(PayPayモールへの)ブランドやメーカーの声はより切実。10年ぐらい前から『ブランドをわけて欲しい』という声は多く頂いてた。自分たちのブランドを大事にしているので、しっかり見せたいと。販売側のニーズにも応えるためにも、モールを作った。購入者、販売者の意見を聞きながら変えていくので、これが最終形ではない」とした。

ヤフーのコマース事業の目標は、「2020年代前半に国内EC(物販)No1」。PayPayモールやフリマの強化により、事業拡大を目指す。