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パナソニック、39,800円の宅配ボックス「COMBO-Light」。既設戸建を狙う
2019年9月27日 16:36
パナソニックは、戸建住宅向けの後付け用宅配ボックス「COMBO-Light」を10月21日より発売する。サイズはミドルとラージの2種類で、樹脂製ボディの採用などで価格を抑え、既設の戸建住宅への導入を狙う。ボディカラーマットブラックの価格はミドルサイズが39,800円、ラージが49,800円。
マットブラック以外に、漆喰ホワイト、エイジングブラウン、ステンシルバー、ボルドー、ダークウッドが用意され、ブラック以外の価格はミドルが49,800円、ラージが59,800円。
宅配ボックス「COMBO」シリーズの機能を継承しながら、実証実験結果や利用者の意見をもとに、価格を抑えたほか業者による設置を不要とした。さらに大容量モデルの用意や、2台連結利用などの機能も追加している。
ボディはビールケースの構造を参考に、頑丈かつ耐候性に優れた樹脂で覆う二重構造により、耐久性を確保。宅配業者がボックスに入れた際の捺印機能など、COMBOシリーズの特長を継承している。錠付はシリンダー錠。電源は不要。
荷物の配達時には、配達業者が扉を開いて宅配物を入れ、扉の内側の施錠レバーを倒して、扉を締める。伝票を入れて「押印」ボタンを押し下げると、配達完了となる。押印を行なうため、本体内にシャチハタ印を入れておく必要がある。
取り出し時には、付属の専用キーでシリンダーを錠を回し、扉を開く。
COMBO-Lightの大きな特長が「ユーザー自身による設置」。従来のアンカーを打ち込む施工方法だけでなく、ユーザーが設置できる接着施行を採用。既存住宅への後付設置が行なえる。電動工具を使用せずに固定できるという。
本体に据え置き用ベース(別売)を使ってネジ止め可能。ベースは、強力な接着剤で取り付け、12～24時間程度養生して固定できる。別売の据え置き施工用ベースの価格は9,500円。
外形寸法/重量はミドルが390×473×590mm(幅×奥行き×高さ)/8.0kg、ラージが390×473×790mm(同)/10.6kg。
受け取りできる最大サイズ/重量は、ミドルが310×400×500mm(幅×奥行き×高さ)/20kgまで、ラージが310×400×700mm(同)/25kgまで。
また、本体を縦に連結も可能。組み合わせて利用することで、複数の荷物を受け取れる。
ラージは子供が入れるぐらい大きなサイズだが、通気性は確保されており、万一閉じ込められても、すぐに危険とはならないそうだ。また、中からロックを外す閉じ込め防止機能もつけている。
既築の戸建て住宅を狙う「COMBO-Light」
宅配便の「再配達」が社会問題化している中、宅配ボックスの認知率は7割を超え、高まってきている。しかし、戸建住宅における設置率は2.2%と低いという。パナソニックの実証実験では、宅配ボックスの導入は「再配達の削減や利用者満足度の向上は明らか」だが、価格や設置の問題などの課題も残されており、「いまだ有効な手立てが打てていないのが現状」という。
これまでのパナソニック「COMBO」シリーズは、金属筐体で新築の戸建て住宅を中心に展開していたが、専門業者による施工が必要で費用もかかっていた。また、新築住宅は年間40万戸だが、日本の既築住宅は2,300万と数は多いが、COMBOのような既存宅配ボックスを導入しづらいという点も課題となっていた。
COMBO-Lightシリーズは、既築住宅の宅配ボックス対応を前提に開発。価格を39,800円からと従来製品(83,500円～)から低価格化したほか、施工工事を不要とし、購入者が自ら設置できるよう工夫。また、「より大きな荷物の受け取りをしたい」との意見を受け、ラージタイプをラインナップ。衣類やおむつ、さらにウォーターサーバーの詰替えボトル(2本)も受け取れるサイズにした。
さらに、複数の受け取りができるよう本体を縦スタック可能な構造にした。あとから増設もできる。
10月1日からは「次世代住宅ポイント制度」もスタート。宅配ボックス1台(1万ポイント)では、申請条件の2万ポイントに満たないが、ビルトイン食洗機や浴室乾燥機などとの商材とセットで申請可能になる。こうした国策の支援も宅配ボックス普及の後押しとしていく。
販路もこれまでの工務店や電気工事ルートだけでなく、eコマースや家電量販店、ホームセンターなどのB2Cのルートでも取り扱い、入手性を向上する。2021年度の宅配ボックス販売目標は約15万台。