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信用を軸に決済体験を拡張するメルペイ。2020年1,000万ユーザーへ
2019年9月18日 20:30
開始7カ月で400万ユーザー突破。スタートラインから1,000万へ
メルペイは18日、「MERPAY CONFERENCE 2019_SEP.」を開催し、事業の進捗やあと払いの分割払い対応など、「信用創造」による事業戦略を説明した。
2019年2月にスタートしたメルペイだが、決済対応加盟店は170万カ所(iD 90万、コード決済80万カ所)となった。口座連携可能な金融機関は100、利用者数は400万で、継続利用率は78%。
メルペイ代表取締役 青柳直樹氏は、「年内には利用者600万人、来年には1,000万件を目指す」と語り、利用可能加盟店数も「年内200カ所という目標は現実的に達成可能」と説明。「(メルペイの)『信用を創造して、なめらかな社会を創る』というミッションの実現に向け、スタートラインに立つことができた」と事業開始から7カ月の手応えをまとめた。
加盟店も5%キャッシュバック
加盟店獲得のための取り組みも強化。2020年3月31日までにコード決済加盟店に本申込みを行なうと、'20年6月30日までは、通常1.5%の加盟店手数料を0%とするだけでなく、決済金額の5%を加盟店にキャッシュバックするキャンペーン(ひと月あたり上限3,000円)も実施する。すでにメルペイに対応済みの加盟店も対象。
メルペイでは、キャッシュレス消費者還元事業への参加も予定しており、「利用者にも5%、加盟店にも5%」の還元環境を作る。なお、加盟店5%還元はメルペイが付与するキャッシュバック金額が合計10億円を超えた時点で終了になる。
加えて、加盟店アライアンス「MoPA(Mobile Payment Aliance)」に、「au PAY」を展開するKDDIが参加することを発表。メルペイと、NTTドコモ、LINE Pay、KDDIの4社が共同でキャッシュレス普及促進を目指す。
メルペイ、LINE Pay、PayPayが不正利用対策で握手
青柳社長は同社の「OPENNESS」構想を強調し、今回のカンファレンスでは、多くのパートナーや協力社が参加した。
「競合」も参加。メルペイとPayPay、LINE Payの3社によるスマホ決済の不正利用対策強化に向けた連携を開始することを発表し、PayPayの中山社長、LINE Payの長福久弘COOが登壇し、連携して不正利用対策に取り組むことを強調した。
各社とも24時間の監視体制や補償制度の充実、セキュリティを重視した取り組みの強化などを行なっているが、これを各社だけでなく、業界横断で展開。
具体的な取り組みとしては、攻撃情報の迅速な共有や、不正利用の手口・対策の共有などで連携。キャッシュレス推進協議会における不正利用対策の検討や、決済事業者向けのチェックリストの共有などでも連携していく。
メルペイ信用創造が本格化。あと払いから分割払い
今後の機能強化については、前述のMoPAへのKDDIの参画や、「ふるさとチョイス」と連携したメルペイのふるさと納税対応、給与デジタル支払いに向けた取り組みなどを紹介。また、メルペイのネット決済をファッション領域を中心として、50以上のECサイトに展開する。詳細は別記事で紹介している。
メルペイ、ふるさと納税対応。EC連携し、購入履歴からメルカリ出品
メルペイは、「信用を創造して、なめらかな社会を創る」というミッションを掲げている。そのミッションの実現に向け、今後は「信用に基づいた決済体験」の提供を強化している。
具体例は、「メルペイあと払い」における与信枠の提供。メルカリは、20~30代前半の若年層のユーザーが多く、クレジットカードを持たない人も多い。そうした人に対して、金属年数や年収などの「属性情報」だけでななく、メルカリ歴やメルカリにおける約束履行能力など「行動情報」を信用として活用。これにより、「いままでの金融システムとはまったく異なる信用を作り、多くの人が信用をもとにした情報の恩恵をうけられるようになる」(メルペイ 山本真人 執行役員CBO)とする。実際に、あと払いの利用者は20~30代が中心で、55%が女性の利用者となっている。
この「あと払い」を数カ月単位の「分割払い」に拡張していく。これにより、利用者は柔軟に支払い可能にし、ギターをお金を貯める前に分割で買って、その間に練習して「時間的価値」を得る、買ったものをメルカリで売って支払いに当てる、といった応用を紹介した。
また、支払いを「繰り上げ返済」するとメルカリのポイントがもらえる、といった施策も予定している。
ただし、分割払いに対応すると、割賦販売法による規制の対象となり、サービスの内容も変わってくる。そのため、ライセンスの申請を行なうとともに、信用情報機関との連携なども予定しているという。
分割払いの手数料や利息などは未定。「決済単体で収益を得るビジネスモデルというより、加盟店とのつながりの中で収益化していく方向」と説明。メルペイ、メルカリの取引や購買データと連携した決済体験の拡張を目指す。