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「Visaのタッチ決済」が日本のキャッシュレスを推進する。発行1千万枚
2019年9月13日 09:32
ビザ・ワールドワイド・ジャパンは12日、「Visaデビット」と「Visaのタッチ決済」対応カードの発行枚数が6月末に日本においてそれぞれ1,000万枚を突破したと発表。1,000万枚達成とともに同社のキャッシュレス推進について、スティーブン・カービン社長が説明した。
Visaのタッチ決済は、日本を含む世界約200の国・地域で使われている決済方法。レジにあるリーダーに非接触対応のVisaカード(クレジット・デビット・プリペイド)もしくはVisaのタッチ決済対応のスマートフォンをタッチするだけで、サインや暗証番号の入力もいらずにスピーディに決済できる。
スティーブン・カービン社長は、「日本におけるキャッシュレスが重要な局面を迎えている」とし、2020年の東京五輪や2025年キャッシュレス比率40%という目標に向け、Visaが重要な役割を担うとした。その具体的な取り組みとして「Visaのタッチ決済」を推進していく。
Visaのタッチ決済の利点の一つは「スピード」。現金では、平均16秒かかるところ、タッチ決済では平均8秒で決済が完了するという。キャッシュレスの支払手段には、電子マネーやQRコード決済などもあるが「タッチ決済こそが優れたソリューション」と強調する。
また、カービン社長は、日本がキャッシュ中心となっている要因の一つに「フラグメンテーション(断片化)」を挙げ、「多くの選択肢が消費者を混乱させている。我々はそこをシンプルにする」とした。
Visaのタッチ決済の特徴として、「安心・信頼」「カードを渡さなくてすむ」「スピード」「シンプル」の4つの要素を紹介。人手不足や人件費高騰からのキャッシュレス要求に対し、スピーディで触れるだけの「タッチ決済」の利便性を強く訴えていく。
また、日本においても「デビットカード」の需要が高まっており、過去10年で発行枚数は年率31%で成長している。クレジットカードだけでなく、デビットカードでもVisaのタッチ決済対応が進められている。
Visaのタッチ決済対応カードは、この6カ月間で発行枚数が200%増、端末も6カ月で4倍に増えている。対応店舗もローソン、マクドナルド、TSUTAYAに加え、JapanTaxi、すき家などゼンショーグループの一部店舗で対応。また、イオングループのイオン、まいばすけっと、ダイエーなども2020年3月までに順次対応する。
カービン社長がVisaのタッチ決済の普及に自信を見せる理由は、世界各国での実績。Visaの対面取引(非オンライン)に占めるタッチ決済の割合は、カナダやイタリア、オーストラリア、シンガポール、スペイン、英国、ニュージーランドの各国で50%を超えており、当たり前のものになっているという。
そのため日本でも同様の流れが起きると予測。加えて、訪日外国人の増加による「コンタクトレス」への理解の浸透や、少額決済と相性のよいデビットカードの普及もVisaのタッチ決済の拡大の助けになると見込む。
Visaのタッチ決済対応カード拡大。イオンはレジ10万台で対応
また、Visaのパートナー企業もタッチ決済の推進に向けて協力。イオンフィナンシャルサービスの鈴木正規会長は、イオンカードはVisaのタッチ決済対応カードを300万枚を発行し、2020年3月までに500万枚、2021年に累計1,000万枚を目指すと紹介。加えて、全国のイオン、イオンモール、マルエツ、ウェルシア、まいばすけっとなどグループ各社の全国16,700店の、レジ10万台を順次Visaのタッチ決済に対応していく。対応完了は2020年3月を予定している。
三井住友カードの神野雅夫 常務執行役員は、「カード利用は非日常から日常になった」とし、少額決済に便利なVisaのタッチ決済対応をすすめる方針を紹介。'17年からデビットで、3月クレジットカードで発行開始したVisaのタッチ決済対応カードは、300万枚を超え、2020年7月までに1,000万枚を目指す。新規はもちろん次の更新時にはタッチ決済対応カードになっているはず」とした。
三菱UFJ銀行 執行役員 決済ビジネス本部長の真鍋宜剛氏は、Visaデビットの発行枚数が2013年との比較で約17倍に拡大したことや、自身の英国駐在時でも「コンタクトレスが当たり前だった」と語り、タッチ決済の推進を説明。近日中にVisaのタッチ決済を使ったウォレットサービス「MUFG Wallet」を提供予定とする。
発表会には、キャッシュレス派の吉田沙保里さんと、キャッシュ派のダンディ坂野さんも登壇。ダンディさんの新ギャグ「キャッシュ“レス”(レスを“ゲッツ”風に)」を考案し、2人で披露した。