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LINE、福岡市で「避難行動支援」機能。災害時の避難指示や避難所を通知
2019年9月5日 12:22
LINEとLINE Fukuokaは、9月4日から福岡市のLINE公式アカウント(LINE ID: @fukuokacity)にて防災新機能「避難行動支援」の実証実験を開始した。「平常時モード」と「災害時モード」の2面で開発を進める。
平常時モードは平常時の備えを支援、災害時モードは災害時の避難行動を支援する。
平常時モードでは、現在の警報・注意報や近隣の避難所情報、ハザードマップなどを確認可能。これをもとに、利用者が家族や友人と災害時の行動に関する話し合いをすることを想定する。
平常時に福岡市LINE公式アカウント上の防災関連機能でできることは以下の通り。(★)が、避難行動支援機能として追加されたもの。
- 近隣の避難所、ハザードマップを確認する(★)
- 現在の警報や注意報を受け取る
- 防災関連リンク集で情報収集する
- 道路、河川、公園等の不具合を市に知らせて被害を未然に防ぐ
災害時モードでは、災害時、福岡市(防災・危機管理課)から避難指示や勧告などが出された際に、取るべき避難行動をチャットボットで確認し、自身が避難開始したことを家族や友人に伝えることができる。福岡市が活用を進めている防災アプリ「ツナガル+(プラス)」への誘導も行なう。
災害時に福岡市LINE公式アカウント上の防災関連機能でできることは以下の通り。(★)が、避難行動支援機能として追加されたもの。
- 避難情報を受け取る
- 最寄りの開設済避難所を知る(★)
- 「住居」「職場・オフィス」など現在いる場所に合わせた避難行動を知る(★)
- 「水道・ガスの状況」「交通機関の運行状況」など現状を調べる(★)
- 「避難開始」したことを家族や親しい人に共有する(★)
実証実験は、2つのフェーズに分けての実施を予定。フェーズ1の期間は9月4日から10月31日で、平常時モードと、災害時モードのテスト版を公開。災害時モードは、操作画面上の表記は「地震時の避難支援(デモ体験)」となっており、地震発生時を想定した一連の流れを体験できる。
テスト版を利用した人を対象としたアンケートを行ない、操作性などを検証、機能をブラッシュアップする。
フェーズ2の期間は11月1日から3月31日で、平常時モードは引き続き公開、災害時モードは本番運用を開始する。災害時モードのテスト版はクローズし、実際の災害発生時のみ利用可能となる。
LINEグループでは、LINEが災害時における安否確認や情報発信・共有ツールとして多くの人に利用されていることから、災害時に役立つ機能の充実や、活用方法の研究などに取り組んでいるという。
またLINEと福岡市は、「地域共働事業に関する包括連携協定」を締結しており、気象警報等を知らせる「防災情報の発信」機能や、市民がLINEから道路・河川・公園等まちの不具合を市に知らせることができる「道路公園等通報」機能など、福岡市LINE公式アカウントにおける防災及び災害対策の機能拡充に取り組んでいる。
今回の避難行動支援機能では、平常時の避難所等の確認を促すとともに、災害時には具体的な避難行動と開設済み避難所を案内し、周囲への避難開始の共有を促すことで、迅速に避難判断ができる機能の実現を目指す。