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渋谷ヒカリエ裏で23階ビル開発始動。坂道縦移動を改善

渋谷ヒカリエや青山通りに隣接する渋谷駅東口エリアで、地上23階建の複合施設の開発がスタートする。開業予定は2024年度。

外観イメージ(国道246号線から)

渋谷二丁目17地区市街地再開発準備組合と、東京急行電鉄は、「渋谷二丁目17地区第一種市街地再開発事業」について、8月28日に東京都知事からの再開発組合の設立認可を受け、開業に向けて本格的に推進する。

同事業は、渋谷ヒカリエや青山通りに隣接する地上23階建ての複合施設の整備し、渋谷駅東口エリアの新たな賑わい拠点の創出と、渋谷駅周辺の回遊性向上を図る。

1階~4階の低層部は、商業機能などを配置し、敷地内の広場などと一体的に整備して、賑わいや憩いを創出する。5階~23階は、渋谷エリアでニーズの高い、駅につながる利便性の高いハイグレードなオフィスと提供する。オフィスの総賃貸面積は約24,925m2、基準階面積約1,325m2

施行地区は東京都渋谷区渋谷二丁目17番地他。文化・教育機関が集積する渋谷~青山エリアの好立地だが、坂道の中腹にあり、宮益坂・明治通り・青山通りの幹線道路に囲まれているため、周辺エリアとの円滑な回遊が難しいほか、人がたまれる空間の不足しており、賑わいが欠如していることが課題という。

現在は、シオノギ渋谷ビルなどがある
位置図

こうした課題を解決するため、渋谷駅や青山通りなどをつなげる多層な歩行者ネットワークや、坂道による縦移動を改善した立体的な屋内広場(吹き抜け空間)を整備。回遊性を高める。さらに、敷地面積の約35%を活用し、植栽などを配した潤いある3つの屋外広場やオープンスペース(合計約1,200m2)を設置することで、歩行者ネットワークや屋内広場と連続した賑わいと交流の場の創出を目指す。

渋谷ヒカリエ側1階広場

階数は地上23階、地下2階で、高さは120m。施工面積は0.5ha、敷地面積は3,460m2、延床面積は約44,560m2。2020年度の着工開始と、2024年度の竣工・開業を予定している。

渋谷に大規模テナントを呼び込むオフィス空間

28日に実施された渋谷再開発の発表会では、同地区の課題として、周辺エリアとの円滑な回遊が難しい点とともに、渋谷での起業は人気な一方、事業拡大に伴いハイグレードオフィスを求めて域外に転出してしまうことがあるという課題も提示。それぞれの課題に対し、再開発でどう変わるかを述べた。

渋谷二丁目17地区再開発について説明をした東京急行電鉄 渋谷開発事業部 開発計画グループ 課長 田邊秀治氏

周辺エリアとの円滑な回遊が難しいという課題については、渋谷駅から、国道246号を渡った位置にあるクロスタワーまでの動線を例に説明。

点線部分が開発地区

回遊における課題は、急勾配な坂道、地区をまたぐ回遊が困難な動線、国道246号を渡る歩道橋が階段のみの3点。新施設の2階と、ヒカリエおよびクロスタワーをデッキ接続することで、これら3つの課題を解決できると話した。

駅からの歩行者ネットワーク
施設内の歩行者ネットワーク

企業の事業拡大については、渋谷で起業し、事業拡大により中規模となるまでは渋谷にオフィスを構えているが、大規模まで拡大する際に域外へ転出することがあるという。

点線部分が開発地区

こういった事業拡大に対応するため、オフィス需要に適したオフィス空間の提供を目指し、オフィス基準階の広さを約1,325m2(約400坪)とするとした。

なお、渋谷再開発における大規模企業の入居例としては、渋谷ストリームに移転するグーグル日本法人などがある。

渋谷ストリームの外観で、グーグルのロゴの「G」と思しき文字が確認できる

そのほか施設デザインについても発表。高層部デザインは、渋谷~青山の結節点、周囲へつながるネットワークの創出などのイメージとする。

また低層部は、坂道によって生まれる隙間をめくり、広げることで人々を導くデザインとする。