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DNP、電子楽譜の制作配信事業に参入
2019年8月27日 12:18
大日本印刷(DNP)は、iPad上で瞬時に“移調”できる電子楽譜活用アプリ「MuseCloud」や、オンデマンド印刷による紙の楽譜の販売など、統合的なサービスを提供する次世代型の楽譜流通販売事業を8月に開始する。
DNPは、一貫して楽譜浄書から印刷、電子化、販売まで行なうトータルサービスを提供。「DNP楽譜配信・活用サービス MuseCloud」で電子楽譜を制作・管理し、ピクシブのマーケットサイト「BOOTH」の楽譜販売ページで販売。また、紙の本や電子書籍を販売する「honto」でも今冬より電子楽譜を販売開始する。電子楽譜の利用には、iPad向け楽譜活用アプリ「MuseCloud」を提供する。
MuseCloudは、電子楽譜のファイルフォーマット規格MusicXML形式とPDFに対応した楽譜活用アプリ。利用料は無料。対応機種はiOS 12.0以上のiPadのみ。
MusicXML形式の電子楽譜では、演奏者のニーズに応じてカスタマイズできる。あらかじめ電子化された楽譜の“調性”を読み込み、アプリに組み込んだアルゴリズムにより、楽曲の形を変えずに音域を読み替える原曲からの“移調”が行なえる。楽曲の再生も可能。
譜面上にさまざまな楽器が記載されている総譜から、利用者自身が担当する楽器を選択すると、そのパートのみ(パート譜)の表示にも切り替えられる。総譜での全体把握と、パート譜での自らの位置づけが容易になり、楽曲のより深い理解につなげられるとしている。
PDFでは、楽譜への書き込みができる機能を搭載しており、今後、MusicXML形式でも対応できるよう追加開発するという。
紙楽譜への要望に応じ、オンデマンド印刷により1冊から提供できるという。蛇腹折りの楽譜形態にも対応し、紙と電子の両方の楽譜を展開する。
DNPは、楽譜浄書から印刷、電子化、販売までを一貫して行なうトータルサービスを提供し、次世代型の電子楽譜流通チャネルを創出するとしている。