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京急や京王で空き家対策の動き。オーナー費用負担ゼロでリノベなど
2019年8月23日 18:39
京浜急行電鉄や京王電鉄は、沿線の空き家・空きビル問題の解決を図る動きを見せる。京浜急行電鉄ではグループ会社のRバンクがリノベーション付きサブリース事業に参入。京王電鉄では調布市、多摩信用金庫と、調布市における空き家の増加抑制、流通促進を図ることを目的としたモデル構築の取り組みについて協定書を締結した。
京急グループはリノベーション付きサブリース事業「カリアゲール」開始
京急グループのRバンクは、8月26日からリノベーション付きサブリース事業「カリアゲール」を開始する。
カリアゲールでは、京急電鉄が物件オーナーから物件を借り上げ、京急電鉄の負担でリノベーションをし、入居者に転貸(サブリース)する。Rバンクは、オーナー募集およびリノベーションの企画から施工管理、入居者募集、賃貸管理を行なう。
空室解消のためのリフォームだけではなく、地域特性や物件の状態を踏まえて用途変更も含めたコンバージョンを提案。リノベーション費用は京急電鉄負担なので、手元資金ゼロでリノベーションできる。また、一定期間、京急電鉄が査定した賃料を稼働状況に関係なく物件オーナーへ支払う家賃保証が付帯する。
事業エリアは京急沿線で東京23区は応相談。対象物件はアパート、マンション、寮、社宅、戸建て、オフィスビル、店舗について1部屋から対象となり、木造・RC等の構造や築年数は問わない。
京急グループでは、既存ストックの活用を通じて、空きビル・空き家など遊休不動産を所有する沿線オーナーの課題解決を目指す。
京王電鉄は調布市、多摩信用金庫との相互の連携を強化
京王電鉄は8月22日、東京都調布市、多摩信用金庫と「調布市における空き家流通促進モデル構築事業に関する協定書」を締結。調布市内には約14,700の空き家が存在し、2028年度には20,000戸を超える予測もあることから、3者で課題解決を図り、相互の連携を強化する。
内容検討・実施や情報共有を目的とした3者による委員会を設置し、空き家物件の情報共有・検討を行なう。また、空き家利活用施策の調査・提案・実施する。
2019年度は、空き家物件所有者への訪問と利活用に関するヒアリングと、ヒアリングによる空き家流通促進モデルの具体的事例の創出を予定。
2020年度は、空き家流通促進モデルの調布市内への本格導入。調布市内の関連事業者や市内在住者からの意見や参画の呼びかけ、および他市町村地区への同モデルの展開、事業の広域化を実施する。
協定期間は8月22日から2021年3月31日。