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「ライブ」と「聴く」を繋ぐ。Spotifyとイープラスが提携

音楽配信サービスの「Spotify」とチケットサービスの「イープラス」は30日、パートナーシップを発表。それぞれのアプリやサービスで機能を連携させ、Spotifyで音楽を聞きながらチケットを購入したり、イープラスのアプリからSpotifyで音楽試聴できるようになる。

スポティファイジャパン玉木社長とイープラス倉見社長

Spotifyのメリットとしては、ライブ情報やチケットの購入機能などアーティストとユーザーの“つながり”をさらに強化できること。

Spotifyのアーティスト情報ページにコンサート情報を表示。公演情報を確認し、「チケットを探す」ボタンをタップして、イープラスでチケット販売状況を確認できる。イープラス会員であれば、その場でチケット購入も可能。

また、SpotifyのSearchページ内にコンサート予定がわかる「コンサート」コーナーを新設。コンサートコーナーでは、[おすすめ]として、ユーザーの聴取履歴に基づいたおすすめのコンサートを一覧で表示する。おすすめは所在地近辺(約125km)のものが表示される。

また、Spotifyのユーザー登録時に設定した所在地周辺で開催されるコンサート情報を、リスナーが多いアーティスト順に「付近で人気」として一覧表示する。

Spotifyでコンサート情報を提供

イープラスのメリットは、イープラスのほか、音楽情報メディア「SPICE」、各種フェス情報アプリがSpotifyと連動。各アプリで、気になったアーティストの曲をSpotifyですぐに試聴できるようになる。Spotifyユーザーでなくても、30秒まで視聴でき、Spotifyと契約すれば楽曲を最後まで楽しめる。

フェスアプリであれば、フェス用のプレイリストでSpotifyで事前に“予習”が可能になる。

つまり、Spotifyにチケット購入機能が追加され、利便性が向上。イープラスには音楽試聴に対応し、さらにパーソナライズされたコンサート情報をSpotifyユーザーに提供可能となるため、チケット購入の促進を図れる。

ライブと聴くをつなげる

スポティファイジャパンの玉木一郎社長は、今の音楽の課題として、「コアなファンにしかライブ情報が届かない」「特定のアーティストにしか興味がない」「音楽は聴くがライブ情報を探すわけではない」の3つを紹介し、「『ライブ』と『聴く』が断絶している」とする。

スポティファイジャパン玉木社長

こうした課題の解決を狙うのが今回の取り組み。音楽聴取をライブにつなげ、「本当の意味でアーティストをフォローして、熱量の高いファンになる。結果的に音楽を聴く人を増やす。それが我々の狙い」と説明した。

また、Spotifyが海外で展開してきたアーティストのトップリスナーに対して特別な体験を優先的にサプライズ提供する「FANS FIRST」を日本でも開始。イープラスとの協力で、チケットの先行購入機会提供などが行なわれる。

FANS FIRST

イープラスの倉見尚也社長は、チケッティングのほか、メディアやチケットマーケットプレイス、カフェなどの同社の事業を紹介。チケット事業はアクティブ会員が1,200万人以上で、「データマーケティングでファンとアーティストを繋いでいる」という。今回の取り組みは、その一環で、Spotifyですぐに音楽体験できるようになることで、新たなアーティストへの出会いを提供。イープラスのチケット購入などにもつなげていく。

イープラス倉見社長

今回の取り組みは独占的なものではなく、両社が外部パートナー向けに提供しているWeb APIなどを用いて実現されている。SpotifyもWeb APIで外部サービスへの楽曲データ供給や、アプリへの機能提供を行なっており、イープラスも外部サービスへのアーティストやコンサート情報の提供、チケットサービスなどを展開。他社でも同様のことは実現可能という。

ただし、イープラスによるフェスアプリでは、なるべくSpotifyに近い使い勝手や見え方を目指して作り込むなど、より踏み込んで協力し、開発しているとのこと。