ニュース
東急池上線 旗の台駅が「木になるリニューアル」。木製ベンチ復元
2019年7月29日 20:00
東急電鉄 池上線の旗の台駅がリニューアルし、7月31日に竣工する。「木になるリニューアル」と銘打ち、木材を生かして駅構内を刷新。2017年11月から着工していた。池上線ならではの長い木製ベンチも復元される。
東京都内の多摩地区で生育、生産される「多摩産材」を使用し、老朽化したホーム屋根を温かみのある木造ホーム屋根に建替え。待合室も木を活用し、空調完備の居心地のよい空間に改修した。旗の台駅のリニューアルや池上駅開発計画で発生する古材を、駅や沿線で活用する「みんなのえきもくプロジェクト」の一環として、下り線ホームの長い木製ベンチを、元の素材を出来る限り残して復元している。
多摩産材は約210m3使用。鉄骨造に比べ、材料製造時の二酸化炭素放出量を約180t削減、炭素固定化により約120tの二酸化炭素を貯蔵し、合計約300tの二酸化炭素削減する。
ホーム屋根の建て替えには、東京都内の鉄道施設として初となるCLT(Cross Laminated Timber)と呼ばれる木質系の材料を採用し、断熱遮音などの効果や、森林資源の循環利用を促進する。
なお池上線沿線では、池上駅も駅舎改良と駅ビル開発を2020年度の開業に向けて進めている。「みんなのえきもくプロジェクト」第3弾として、池上駅の象徴である長いベンチを公共の場で使われる「えきもくベンチ」としてリデザイン。池上梅園や池上会館、区民プラザ等に設置した。
池上駅の駅舎改良では、現在北側に1カ所ある改札口を橋上化して南口を新設し、改札内の構内踏切を廃止する。駅ビルは5階建てとし、大田区立池上図書館を駅ビルに移転・整備するとともに、保育園、店舗などの導入を検討している。外観には、池上本門寺を中心とした門前町の歴史性をデザインに取り入れ、駅と街の一体感を形成。2020年度の竣工を目指す。