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逆転の発想で“モアレ”を活用。凸版が新たなモアレ表現提案
2019年7月9日 18:58
凸版印刷は、印刷時に意図せず表れてしまう縞模様“モアレ”をコントロールして、立体感や動きを表現するシステムを世界で初めて開発。警告表示や店頭装飾に活用する。
モアレとは、規則正しく並んだ点や線を複数重ねた時に、視覚的に発生する縞模様のこと。印刷物やディスプレイなどで発生する。モアレは意図しなかった見栄えの悪い画質となるため、一般的には軽減を求められる。
凸版印刷でも、モアレを軽減させる技術の研究、調査、解析を行なってきた。一方で、これまでは不必要なものであったモアレをあえて積極的に用いることによる、アイキャッチ性・訴求力がある表現を目指して、これまでの知見や技術をもとに研究を進めてきたという。
今回、任意の画像の濃淡、立体感、動きをモアレによってコントロールできるよう、異なるピッチや位相を持つ2枚のパターンに分解するシステムを開発。分解した画像をそれぞれ印刷し、透明な板を挟んだり、距離を置いて設置したり、隙間を空けることで、狙ったデザインのモアレを発生させる。
これにより、印刷物にモアレの特性を生かした立体感や動きをもたせることに成功したとしている。
本システムは、狙った通りの奥行き表現やモアレ特有の動きを活用したデザインの作製が可能。通常の印刷物と比べて目を引くことを特徴としている。
2枚のシートに印刷し貼り合わせるだけで作製できるため、従来の特殊印刷と比べて時間や費用を低減できると同時に、ディスプレイする際には電源等を必要としないため、電気代がかからないこともメリットとしている。
今後は、モアレデザインのフルカラー化や見やすさの向上、画像をモアレパターンに分解する処理の高速化を図り、ブラッシュアップを進め、10月までの試験導入を目指す。