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パナソニックの宅配ボックス、大型+荷物2個対応へ「OKIPPA」連携

COMBO-Maisonコンパクトの下にOKIPPAの大きな荷物を収納(スタンドは別売)

パナソニックは、集合住宅用宅配ボックス「COMBO-Maisonコンパクト(1鍵タイプ)」と置き配ボックス「OKIPPA」を連携し、COMBOに入らない大きな荷物をOKIPPAに収納することで、再配達削減を目指す。

宅配ボックスの「COMBOコンパクト」(75,100円)は、堅牢なボックスにより小型品の受け取りなどに対応できる。一方で大型製品は収納できず、大型製品は再配達となってしまう。

COMBO-Maisonコンパクト

そこで7月1日生産分から、Yperが展開する置き配ボックス「OKIPPA」と連携するようにリニューアル。COMBOの内側にOKIPPAを取り付けられるほか、外側にも吊り下げ可能にした。宅配業者は、小物であればCOMBOに、COMBOに収まらない大きな品物であればOKIPPAに配達できるようになる。

また、COMBOに配達物が収納されたときにも、OKKIPAを使えば2つまでの宅配物が受取可能になる。この取り組みにより再配達の削減と、宅配ボックス利用者の「受け取りストレス」削減を目指す。

OKIPPAの袋は57L。大きな荷物を収納できる

再配達を減らすには「大型荷物」対応が必要

COMBOとOKIPPAの連携のきっかけは、東京 世田谷区の子育て世帯を対象にしたパナソニックの宅配ボックス実証実験の成果から。実証実験は、2018年12月から'19年1月末まで、世田谷区の戸建住宅に住む子育て世帯50世帯に宅配ボックスを設置。再配達の削減効果や荷物の受け取りに関するストレスの変化を調査した。

その結果、「宅配ボックスにより、荷物の受け取りに関するストレスは軽減された」との回答が100%となった。さらに、「子供の寝かしつけをしている時に無理に出なくてもよくなった」など、「在宅時」の荷物の受け取りでもストレスが軽減されたという回答が72%と高評価を得たという。

宅配ボックス設置後の対面での荷物受け取り率は、設置後に30%に、再配達による待ち時間も当初は年間約72時間/世帯だったが、約39時間/世帯に削減されたとする。

非対面での受け取りが30%に

一方、パナソニックが目標にしていたのは対面での荷物受け取り率50%。30%という実績はその目標には届かなかったことになる。その主要因といえるのが、再配達のうち「荷物が大きくて入らなかった」から。再配達のうち27.8%がこの要因だ。

子育て世帯ではおむつまとめ買いなどの大型荷物が多く、この大型対応が必要であることが判明。また、「宅配ボックスがいっぱいだった」という回答も20.5%と高かった。

こうした課題の解決に向け、置き配ボックス「OKIPPA」を展開するYperと協力。OKIPPAは、玄関前にポリエステル製のOKIPPA専用の袋を下げておいて、宅配業者がそこに入れるとアプリに配送完了を通知してくれるサービス。月額100円で保険もつけられる。

OKIPPAの袋の容量は57Lと大きく、水のまとめ買いなどにも対応できるため、COMBOに収まらないサイズの荷物も収納可能。さらに、OKIPPAと連携することで、COMBOとOKIPPAの2つの「ボックス」が用意されるため、COMBOに先に配達が行なわれている場合でも、OKIPPAに入れて配達完了できるようになる。

両社が協力し、COMBOコンパクトの新モデルには、大きな荷物はOKIPPAに入れるよう促す文章やイラストを本体上に表示。再配達の削減に取り組む。

Yper 内山智晴代表取締役(左)とパナソニック ライフソリューションズ社 ハウジングシステム事業部 外廻りシステムBU 外廻り設備商品担当部長 中島裕章氏(右)

ふるさと納税で非対面が増えた? 「宅配ボックス使おう」シールも

世田谷区における実証実験では、子育て世帯向けに展開したことから、大型荷物が増え、結果再配達が増えたという。福井県あわら市での実験では、「大型荷物のため受け取れなかった」は12.6%だったが、世田谷は27.8%とかなり高くなっている。

加えて、世田谷における再配達の理由の2位は、「生もの・クール便」が25.2%。実証実験の時期が、12月から1月まででちょうどふるさと納税の返礼品の受け取り時期と重なっため、生ものやクール便の需要が多かったためという。こうした要素もあり、目標とした非対面受け取り比率50%に及ばなかったとする。

ふるさと納税で「生もの・クール便」が多かった

今回の実証実験でパナソニックが強調しているのは、宅配ボックスによる「在宅時」のストレス軽減。特に子育て世帯では、子どもをお風呂に入れたり寝かしつけたりしている際に、宅配対応がしづらいこともある。また、子どもが在宅中でも防犯上出ないよう伝えているため受け取れないことがあったという。

宅配ボックスの導入により、72%が「在宅時受け取りストレス」が軽減されたと回答。非対面で受け取りたいというニーズの増加に答えるべく、ボックス活用と大型化対応を図ったという。

宅配ボックスの効果は、在宅時のストレス軽減にも

今後の宅配ボックス利用を促すため、「共通アイコン」を作成。7月1日から出荷する戸建て住宅用宅配ボックス「COMBO」全商品と「コンボ メゾン コンパクト」に同梱する。すでに設置済みの人にも配布するという。

アルミシール(屋外仕様)
宅配ボックスの利用を促進