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Facebook、新仮想通貨「Libra」でSMSのように送金できる世界を目指す
2019年6月19日 12:23
Facebookは18日(米国時間)、ブロックチェーン技術を活用した新しいグローバル通貨「Libra」のための新会社「Calibra」と、同社の計画について発表した。
Calibra(カリブラ)では、最初のプロダクトとしてLibra向けのデジタルウォレットを提供。デジタルウォレットはMessenger、WhatsApp、専用アプリで使用でき、2020年のサービス開始を予定している。
インターネットがコミュニケーションや学習、ビジネスを変えたように、送金や預金、支払いなどの金融サービスの変化を目指して開発。「SMS並みの手軽さと安さで送金できる」環境を目指す。
当初はFacebookが中心となるが、Libra Associationのもと、コンソーシアム型で運営される。創設メンバーは、Mastercard, PayPal、PayU、Stripe、Visa、Booking Holdings、eBay、Spotify、Lyft、Uber、Vodafone、Coinbase、Andreessen Horowitzなど。
現在、世界中の成人の半数近くが銀行口座を所有しておらず、開発途上国や女性に限定すると、更に人数は少なくなる。開発途上国の中小企業の約70%は信用取引を利用できず、また世界中の移民は、送金手数料によって250憶ドル(約2.8兆円)を失っているという。こうした課題の解決をCalibraの目標とし、ブロックチェーン技術によって実現するグローバル通貨Libraの貯金や送金、使用ができるデジタルウォレットを構築していく。
Calibraのサービス開始時から、利用者はテキストメッセージを送るのと同じくらい簡単・気軽に、スマートフォンから、無料あるいは少額でLibraを送れるようにする。将来的には、代金の支払いをボタン一つで可能にしたり、コードをスキャンするだけで飲み物の購入や公共交通機関を利用できるようになるなど、現金や定期券を持たずにできるサービスを実現するという。
利用者のプライバシー保護にも対策し、特定の場合を除き、Calibraは事前の同意なしに、アカウント情報や金融情報をFacebookや他の第三者と共有しない。これらの情報が共有されるのは、生命の安全が脅かされる場合や法律に基づく場合、Calibra利用に基本的な機能を提供する場合に限定する。