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三菱重工、自動運転消防ロボット。放水ロボとホース延長ロボが連携
2019年3月22日 18:51
三菱重工業は、消防ロボットとして「放水砲ロボット」と「ホース延長ロボット」を開発した。2機種がホースで接続されたまま自動運転で火元まで走行。放水能力は4,000リットル/分。
石油コンビナートなど消防隊員の接近が困難な火災現場での活躍が期待される消防ロボットとして開発。放水砲ロボットは人が近づけない場所で消火冷却を行ない、ホース延長ロボットは最大300mまで消防用ホースを自動敷設して放水砲ロボットに水を供給する。
これら2機種は、「偵察・監視ロボット」(飛行型および走行型2機種)ならびに「指令システム」との組み合わせにより「消防ロボットシステム」を構成し、専用の運搬車両1台に搭載されて現場に移動できる設計になっている。
消防庁消防大学校消防研究センターが2014年度から5年計画で進めている「エネルギー・産業基盤災害対応のための消防ロボットシステムの研究開発」プロジェクトに参画して開発を手掛けてきたもので、3月22日、消防庁消防大学校消防研究センター(東京都調布市)において、同プロジェクトの5年の成果として完成した実戦配備型ロボットの性能を実証する実演公開を実施した。
2台のロボットは、堅牢な足回りで高い走破性を持つ農業用小型バギーを改造した専用車体に、GPS(全地球測位システム)やレーザーセンサーを搭載し自律制御可能な移動台車としたもの。消防用ホースで接続された状態で、自動運転により火元へ向けて走行する技術を搭載している。
火元到着後は放水砲ロボットをその場に残し、ホース延長ロボットがポンプ車や消火栓等の水源までホースを地面に敷設しながら走行。敷設されるホースは、内径150mmの硬くて重い(2kg/m)消防用ホースで、最長300m搭載可能。
曲がり角を含む経路上にホースを適切に敷設できるよう、ロボットの走行に合わせて自動でホースの送り出しと巻き取りを行なう。
放水砲ロボットは、放水または泡放射を行なう放水砲を備え、1.0メガパスカル(MPa)の圧力で1分間に4,000リットルの放水ができる。
放水砲ロボットの外形は217×146×207cm(長さ×幅×高さ)、重量は1,600kg。4輪駆動前輪操舵方式で、移動速度は時速7.2km(秒速2m)。搭載センサーはRTK-GPS、RIDAR、IMU、オドメトリ。