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情報銀行へのデータ提供で特別なサービス。JTBとDNPが旅行者向け新事業開発

大日本印刷(DNP)とJTBは、旅行者のパーソナルデータを情報銀行(情報信託機能)で集約・活用する「次世代トラベルエージェントサービス」を共同で開発。旅行者がストレスなく最適なサービスを選択・利用するための支援と、地域の観光関連サービス事業者による効果的なデータ活用やサービス提供の両立を目指す。

実証事業の概要

旅行者は、身元や連絡先、旅行先でのリクエストや趣味、行動プラン等のパーソナルデータを、本サービスの情報銀行に登録。情報銀行へデータ提供することで、実証事業に参加する100社程度のサービス事業者から、ニーズにマッチした情報を受け取れる。

また、一部サービス事業者からは、特別観覧や文化体験、観光ガイドなど、通常の旅行では体験ができない特別なサービス提案を受られるという。

そのほか、旅行者に対して、手続きの負荷軽減等のため、行動プラン管理機能、LINE連携によるオファー受信・メッセージング機能、観光施設等への入場・利用手続きを簡易にするQRコードによるアクセス管理機能等を持つアプリを提供する。

サービス事業者には、情報銀行から提供されたデータを簡易に活用できるマーケティングツールを提供する。

実証事業を実施する場所は、文化・芸術的価値のある地域資産が集積し、近隣の店舗・施設への回遊促進を目指す、東京の上野エリアと京都の岡崎・蹴上および周辺エリア。実証期間は12月から2019年2月。目標ユーザー数は1,000名。

この事業は、総務省が行なった「平成30年度予算 情報信託機能活用促進事業」に係る提案の公募により、促進事業の1つとして決定されたもの。実証事業により、情報銀行を介して旅行者とサービス事業者(文化施設、観光体験、飲食店、小売店等)との間でのデータの流通と、その利活用を促進。新たな旅行体験の創出と、地域内の旅行者の回遊や消費の拡大・促進策を検証する。

社会実装の推進にあたり、本実証事業において総務省・経済産業省「情報信託機能の認定に係る指針ver1.0」に定める認定基準およびモデル約款に関する検証も行なう。

今後は、東京・京都エリアにて実施したサービスモデルの、他エリアでの適用、拡大を検討するとともに、日本IT団体連盟による「情報銀行認定」に対して申請を行ない、認定取得を目指すという。また、観光分野における、交通や金融(保険・決済)、人材、シェアリングなどの幅広いサービス分野、産業テーマ等における、情報銀行を活用した地域の課題を解決する総合的なサービス・ソリューション事業への展開を図るとしている。